ーーーーー ページ35
結衣には正直に白状した。
というか、せざるを得ない状況だった。
やっと結衣から解放され、トイレに逃げ込む。
鏡を見て、返してもらった髪留めで髪をまとめる。
自分でもいつもと違う髪型は落ち着かなかったから、ホッとする。
。。と、トイレをでたとろこで、深澤と鉢合わせた。
「ちょっとっ！」
小声で叫び、スーツの袖を掴んで使われていない会議室に引っ張っていく。
「もーなんでわばわざ結衣の目の前で返すのよ！お陰で結衣にバレちゃったじゃん！」
「。。。うん。いいね。会社ではいつもそうやって髪縛っててよ」
怒っているわたしを前にのんびり満足気に笑う彼を見て、拍子抜けする。
「。。。は？」
「髪下ろしたAはダメ。あれ他の男に見られたらたまったもんじゃないから。髪下ろすの俺の前だけね笑」
「え？。。。や、うん、わかった。。。じゃないっ！！それにしても返すタイミングってもんがあるでしょ！」
彼の言葉に一瞬嬉しくなるも、丸め込まれないぞ！と対抗する。
「あーわかったわかった。ごめん。それに関してはね、俺もうガマンできないんだもん」
「なんで！」
「だってさー俺的には今すぐにでもAと付き合ってますよ〜ってみんなに宣伝したいくらい嬉しくて幸せなんだよ？」
「や、それはわたしも幸せだけど。。」
「俺は全然恥ずかしくないけどな〜」
深澤はそう言うと、わたしを壁際に追い詰めて両腕で囲う。
「会社でこーんなことしても恥ずかしくない」
ゆっくり彼の顔が近づいてくるのにストップをかける。
「ふかざわっ」
「ん？たつや、でしょ」
「ここ、会議室っ！」
「たつやって呼んで？おじいちゃんおばあちゃんになっても深澤って呼ぶ気？笑」
そう言っていたずらに微笑む深澤。
もう、ホント彼には勝てない。
「。。。たつや、キスは短めに」
「。。。了解笑」
わたしたちの甘い甘いラブストーリーは、これからもずっとずっと続いていくみたいです。
おわり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 687人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろ
| 作成日時：2022年10月7日 22時
