ラブストーリーは甘くない《紫》 (ページ13)

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薬を飲むと痛みはだいぶ治まったが、午後から半休を取ることにした。

強烈な痛みの中だったとはいえ、寄りかかった彼の肩、撫でられた頭。。

恥ずかしいと嬉しいの波が交互にやってくる。

。。お礼言わなくちゃ。

医務室を出て帰り支度をし、深澤のところに寄る。

「おー、だいぶ顔色よくなったな」

「うん、薬飲んだから」

「帰るんだろ？それがいいよ」

彼のその笑顔に先刻のことをまた思い出し、ひとりで恥ずかしくなって照れ隠しに続ける。

「そういえばさ、医務室に入ったときの深澤、保健室に遊びに来た高校生みたいなノリだったね笑」

「あ、バレた？俺高校ん時、保健室に入り浸ってた笑」

「やらし〜笑」

「おい、勘違いすんな！ま、保健の先生はキレイだったけど、俺はもっぱらサボりたくてベッドで寝てた笑」

「はは、そっか笑。。。うん。。今日は、ありがとね」

「俺は医務室に連れていっただけだよ」

「じゃあ、帰るね」

「ん。これから体調悪い時は会社休めよ？お前のあんな姿、見てらんねーわ」

深澤。。わかってる？

わたしが、どれだけあんたの行動や言葉のひとつひとつに感情を揺さぶられてるか。

。。わかってるわけ、ないか。

腰もお腹も、まだ少し痛むけど、

深澤のこととなると、

ちくん、と、胸が痛むんだ。

この痛みには薬は、

ない。