�� ページ12
あ〜腰が重い。。
生理の時ってホントちょっとしたことで憂鬱になる。
朝から満員電車に揺られて身も心もヘトヘトだ。
少しキリキリと痛んできた下腹部を気にしながら、午前中の仕事を終える。
「A大丈夫？結構つらそうだよ？」
「ん〜。。まぁでもいつものことだから。。結衣先行ってて、わたしトイレ寄ってくわ」
本格的に痛くなってきた生理痛にランチはほとんど喉を通らなかった。
わー、顔色悪い。
トイレの鏡に映った自分の顔はとても見られたものではない。
今日、なんか特にひどいな。。
しまった、薬。。家に置いてきた。。
医務室になら置いてあるよね。。
オフィスの下層階にある医務室を目指してエレベーターを待っていると、「よっ！」と肩を叩かれる。
「ふかざわ。。」
「えっ、お前どうしたの？顔色悪いぞ」
「いや、大丈夫。。」
「冷や汗出てる。全然大丈夫じゃないだろ」
「いや、ただの。。。生理痛だから。。」
「ただの、じゃないでしょ。立派な体調不良。医務室行くぞ。歩ける？」
深澤はわたしをエレベーターの中に導くと、
「辛かったら寄りかかっていいから」と、ぐっと肩を抱く。
意識が遠のきそうな痛みの中、体重を彼の肩に預ける。
その間、深澤の香りを感じながら、少しだけ痛みが和らいだ気がした。
「あ、先生いてよかったー。病人で〜す」
「あら、大丈夫？」
「生理痛酷いみたい。少し寝かせてやってください」
「あぁ、相当辛そうね。お薬あるから。そこのベッド使っていいわよ」
「ありがとうございまーす」
「横になっても楽にならなかったら無理しないで帰れよ」
「うん。。ありがとう。。薬飲めばたぶん大丈夫」
「あーあ、顔色悪い。女の人って大変だな。代わってやりてーわ」
心配そうな顔をした深澤は、ベッドに横になったわたしの頭をそっと撫でると「じゃな、」とカーテンを閉め、医務室から出ていった。
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作者名：しろ
| 作成日時：2022年10月7日 22時
