#オイラの出番 ページ21
大野side
大野「お茶飲みな。」
ごくごく飲んだAちゃん。脱水もいいところだよ。
大野「大丈夫。辛かったなぁ。」
Aちゃんが悪いわけじゃないからな。
オイラには分かるんだ。でも翔ちゃんと話して欲しいし。
大野「Aちゃん。話したくなきゃ無理に話さなくていい。オイラだってこの仕事がやりたくて入ったわけじゃない。」
松本「それを言えば翔ちゃんもだよ」
A「……えっ」
大野「ふふ笑。そっか。聞いてないのか。実は俺たちここまで来れてるけどさ。最初なんて半分の人が終わるだろうって思ってたからね。俺含めて、翔くんとにの。」
A「え。なんで……」
大野「翔くんはサッカー好きでしょ？」
A「はい。よく試合に行ってました。」
大野「サッカー選手になりたいって言ってなかった？昔」
A「言ってたのかな……でもサッカーは無我夢中でしたね。」
大野「ふふ笑。でしょ？俺だってね。パン屋さんになりたかったの。」
A「そうなんですか」
大野「でもさ。やりたいこと見つかるってそう簡単には見つからないと思うよ。ってか迷って当たり前だと思う。健くんが話してくれたよ。芸能事務所にスカウトされたんだってね」
A「……はい」
大野「翔ちゃんが反対したんじゃないかって怖かったんだよね？もし、オイラがAちゃんのお兄ちゃんって立場になっても、オイラ、絶対に翔ちゃんと同じことするよ。
なんでだと思う？」
A「……分からないです。」
大野「まぁ、だから逃げてきたんだよね……」
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作者名：でんでん | 作成日時：2022年5月11日 8時
