検索窓
今日:14 hit、昨日:18 hit、合計:200,844 hit

26狂ってしまった善悪 ページ27







数時間前のこと。



──……。




「……はァ」



目を覚ましてから、どれ程の時間が経ったのだろう。暗闇なのは変わらずで、ワケのわからない機会音も止まること無く鳴り続ける。





その時──、




「意識が戻ったようだな」




ガラリと開かれた扉の先には桐島が立っている。溢れ出るような光に刺激され、思わず目を細めた。



手足は縛られたままなので、身動きがとれない。銃で撃たれたであろう足や肩からもわずかに出血している。




「そんなに睨むんじゃねェよ。まだアンタは殺さない」



"まだ"という言葉をやけに強調した。


私は口を閉ざしたまま。



「あ、そうそう。舌を噛み切って自害するなんてバカなマネはすんなよ。沖田A、お前ならやりかねないからな」



「……ふん、私は生きてここを出るつもりだ。死ぬ気など毛頭無い」



「そりゃこちらとしてもありがたい」



ほくそ笑む桐島。こいつの考えていることは大体予想がつく。人質として十分価値のある私を利用して、真選組をおびき出すつもりなんだろう。


近藤さんの首をとるのが目的なら、一刻も早く真選組に連絡しなければならない。



「……そろそろ奴らも動き始める頃だろう」



妖しく笑う桐島は、狂気じみていて。




「1匹のネズミを逃がしておいたからな」



不意に浮かんだ、監察である山崎の姿。



コクリと唾を飲み、私は後ろで縛られている手首を動かし始めた。これは今さっき気づいたことだが、縄の結び目が緩んでいるのだ。少し力を加えれば外れる可能性もある。



桐島に悟られないよう、慎重に縄に力を入れながら捻る。



「……そういえば、さっきから鳴っているこの機会音は何だ?」



怪しまれないよう、話を投げかけた。



どこからか鳴り続けているカチカチと規則正しい音。





「ああ、それは。






──ただの時限爆弾の音だな」








「…………は?」





何の迷いも無く平然と答えるそいつに、



驚愕の声をあげてしまうのは仕方の無いことだと思う。





 

27貪欲に生きること→←25後悔先に立たず



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (515 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
493人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組 , 家族   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アオト(プロフ) - すずさん» コメントありがとうございます。な、泣いたですと!?作者として非常に嬉しいです。今のところ続編は考えてませんが、もし新作のネタに困ったら作るかもしれませんf^_^;) (2015年12月11日 23時) (レス) id: d8cd4dea01 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - とっても面白いです!!良すぎて読みながら泣いてました!!続編に続いて欲しいです!! (2015年12月11日 15時) (レス) id: cfd050b9dc (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 通りすがりの加藤さんさん» いえいえ!こちらこそ長い間あやふやにしてすみませんでした。 (2015年6月25日 22時) (レス) id: d8cd4dea01 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの加藤さん(プロフ) - アオトさん» なるほど!ご説明ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年6月25日 7時) (レス) id: 204089a6f3 (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - イチゴさん» イチゴさんありがとうございます!説明下手ですみません。もし続編or番外編を書くことになったら、この夢主復活までのお話を書きたいと思います(^_^) (2015年6月24日 20時) (レス) id: d8cd4dea01 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アオト | 作成日時:2015年2月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。