【番外編】チャイナ娘と出会う1 ページ7
某日、マヨネーズを両手にかかえながら歩いていた私は、通りかかった公園で不思議な少女と出会った。
酢こんぶをくわえながら、こちらをじーっと凝視するその子は、今までに見たことのないようなタイプで。
変わった色の髪だなァ。
なんて思っていると、突然少女の人差し指が急に向けられる。
「お姉さん、なんで眼帯なんか付けてるアルカ。高杉のマネアルか。九ちゃんのマネアルか。それとも特に意味も無く付けてるアルか」
そう発せられた言葉のマシンガンに、私は混乱した。
なんだこの子。色んな意味でヤバい。
ていうか、髪色だけでなく話し方まで変わってるな。
「えーと、これは見えなくなっちゃってね、だから眼帯付けてるんだよ」
丁寧な口調でそう言うと、納得したようにチャイナ風の少女は頷いた。
「まじでか。やっぱり人生って何が起こるかわからないネ」
幼い歳で、早くも人生について語る。
「それより、お姉さん名前教えてヨ。私神楽いうアル」
「神楽……ちゃんね。私はA」
「なんか聞いたことがあるような気が……」
持っていた酢こんぶを食べ終わり、神楽ちゃんは私の持っているマヨネーズに視線を移した。
そして、露骨に嫌そうな表情を浮かべる。
「もしかして、Aもマヨラーアルか」
"マヨラー"という単語に、 土方さんの姿が浮かぶ。
「いやいや、これは上司から頼まれて買ったの」
「そうだよネ。まさかあんな味覚バカが2人もいるワケないもんネ」
味覚バカ?……あれ、もしかして土方さんのこと知ってるのかな?
「……てことはお姉さん、真選組アルか?」
少し目を見開きながらそう尋ねてくる神楽ちゃん。
隊士と勘違いされてるのかと思った私は、すぐさま女中であることを伝えた。
「ふーん、あんなクソ野郎共のところで働いてるなんて大変アルな。サドにいじめられないよう気をつけるヨロシ」
サドとは恐らく沖田さんのこと。神楽ちゃんは真選組との関わりが深いらしい。
あ、そういえば昔沖田さんが話してたな。チャイナ娘に足の骨折られたって。
なるほど、神楽ちゃんのことだったのか。
1人でそう自己解決していると、神楽ちゃんが急に「あっ!」と声を上げた。
「トイレットペーパー買って来るの忘れたアル!……私行ってくるネ、バイバイA!」
ぶんぶんと手を振りながら、神楽ちゃんは走り去ってしまった。
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特撮オタク女子 - とても面白かったです!ありがとうございます! (2019年8月15日 20時) (レス) id: f9b0269678 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - すごくおもしろかったです! 文を書くのがお上手ですね〜! このお話に出会えて良かった! (2018年3月2日 18時) (レス) id: f7a865ee48 (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 美空さん» 美空さんコメントありがとうございます!返事がかなり遅れてしまい申し訳ございません!わ、お気に入り作品に登録してくださり感謝です!ましてや作者にまで登録だなんて……!?とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2018年1月13日 21時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - 悪女のいろは、読ませていただきました!ほんとに面白かったです(〃▽〃)読み出したら止まらなくなっちゃって、お気に入り作品&作者に登録させてもらいました!(^o^)/ (2017年2月5日 3時) (レス) id: c3845c95d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴村 - 面白いです (2015年5月31日 17時) (レス) id: 56954dcc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2015年2月20日 18時