51染められない色 ページ3
「ずっと俺のそばにいろ」
沖田総悟という人物は、やはり理解できない。
ポーカーフェイスで感情が読み取れないからか、
それとも、
思考回路がぶっ飛んでいるだけなのか。
どちらにせよ、凡人の私にとっては一生わからないであろう。
「Aさん、答えは?」
いつもの口調に戻った沖田さんは、私にそう尋ねる。
誰よりも強く、誰よりも真っ直ぐなその目で。
答え……?
これを答えてしまえば私は……。
「沖田総悟、一世一代の大告白。NOとは言わせませんぜ」
拒否権は無い。はいかYESしか言えないこの状況。
だったら答えはたった1つ。
「──仕方ないですね、沖田さん」
私の口角は自然とほころぶ。
──こんな自分勝手な沖田さんに付き合ってしまったのも、
こんな自信過剰な沖田さんに惚れてしまったのも、
私が"平凡"だからなのかもしれない。
「……ま、まじですかィ」
目の前でまぶたを瞬かせる沖田さん。
その頬はわずかに赤く染まっており、それに気がついた私は思わず吹き出してしまった。
「何で沖田さんが照れてるんですか」
「いや、まさか本当に……」
自分で拒否権を奪っておきながら、沖田さんはひどく狼狽えている。
なんだかこっちまで、照れてしまいそう。
だんだん熱を帯びる頬を、沖田さんに「赤くなってらァ」と指摘された私はテンパりながら両手でおおう。
「……」
「……」
「……帰るか」
「そうですね……」
再び差し出された右手。
それを払うことなく、今度はしっかりと握り返した。
離れてしまわないように。
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特撮オタク女子 - とても面白かったです!ありがとうございます! (2019年8月15日 20時) (レス) id: f9b0269678 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - すごくおもしろかったです! 文を書くのがお上手ですね〜! このお話に出会えて良かった! (2018年3月2日 18時) (レス) id: f7a865ee48 (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 美空さん» 美空さんコメントありがとうございます!返事がかなり遅れてしまい申し訳ございません!わ、お気に入り作品に登録してくださり感謝です!ましてや作者にまで登録だなんて……!?とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2018年1月13日 21時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - 悪女のいろは、読ませていただきました!ほんとに面白かったです(〃▽〃)読み出したら止まらなくなっちゃって、お気に入り作品&作者に登録させてもらいました!(^o^)/ (2017年2月5日 3時) (レス) id: c3845c95d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴村 - 面白いです (2015年5月31日 17時) (レス) id: 56954dcc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2015年2月20日 18時