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──ドガァァァンッッ!
突然、耳をつんざくような爆音が響いた。一瞬にして視界が煙に遮られる。
「真選組だ、神妙にお縄につきやがれ。そしてさっさとAさんから離れろこのチンカス野郎」
その声は……。
「沖田さん!?」
「Aさん無事でしたかィ……てオイ、早く退けっつってんでィそこの男」
と、抜刀する沖田さん。
しかし、攘夷浪士は私に覆いかぶさったままピクリとも動かなくなってしまった。
もしやと思い顔を覗き込むと、案の定、白目をむいて気絶をしていた。
「沖田さん……もう大丈夫っぽいです」
その言葉に、彼は心底安心したかのように溜め息をついた。
そして次々と部屋に入ってくる隊士達。その後ろには土方さんが。
「……ったく。Aがいるってのに、よくバズーカぶっ放せなお前」
「何言ってるんですかィ土方さん。この男が盾になってAさんの身体を守ると思ったから打ったんですぜ。ほら、予想通り。攘夷浪士は気絶。Aさんは無傷」
そう言い、ニッと笑う。
私にもたれかかっていた攘夷浪士は、隊士にそのまま連れて行かれ、私はようやく自由の身になった。
刀をあてられていた首がわずかにピリピリと痛む。
手で触れてみると、血が出ていることに気がついた。
「……いてて」
そんな私の声が聞こえたのか、沖田さんが形相を変えながら迫ってきた。
「え、もしかしてケガしてたんですかィ!土方さん早く救急車を!」
「大げさだろ!……んなの、絆創膏でも貼ってりゃ治んだろ」
「すみませんAさん。俺としたことが……」
「おい、聞いてんのか総悟」
額に血管を浮かせながら苛立つ土方さんを無視して、「役に立たねェな土方」と沖田さんは悪態をついた。
でも、そんなことより……。
なんで沖田さんは、私がここにいるって知ってるの?
沖田さんには極秘だったハズなのに。
どんなに考えても答えは見つけ出せず、私はただただ頭にクエスチョンマークを浮かべるだけだった。
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特撮オタク女子 - とても面白かったです!ありがとうございます! (2019年8月15日 20時) (レス) id: f9b0269678 (このIDを非表示/違反報告)
モモ - すごくおもしろかったです! 文を書くのがお上手ですね〜! このお話に出会えて良かった! (2018年3月2日 18時) (レス) id: f7a865ee48 (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - 美空さん» 美空さんコメントありがとうございます!返事がかなり遅れてしまい申し訳ございません!わ、お気に入り作品に登録してくださり感謝です!ましてや作者にまで登録だなんて……!?とても嬉しいです。これからも頑張ります! (2018年1月13日 21時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - 悪女のいろは、読ませていただきました!ほんとに面白かったです(〃▽〃)読み出したら止まらなくなっちゃって、お気に入り作品&作者に登録させてもらいました!(^o^)/ (2017年2月5日 3時) (レス) id: c3845c95d7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴村 - 面白いです (2015年5月31日 17時) (レス) id: 56954dcc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2015年2月20日 18時