聞きたい、聞けない１月〈side Y〉 ページ23
1月1日。
家族での新年のあいさつも終わって、そろそろ寝ようかなんていう話になって。
自分の部屋のベッドの上で携帯をじっと見つめてさっきからもう15分も悩んでいる。
……誘えない。
Aのことが好きなんだと気が付いた11月のある日を境に俺たちの関係はある意味一変した。
いつも通り変わらない俺とAの会話。
そうかと思えばクラスでAに話しかけてくるやつはめちゃくちゃ多くて、正直焦る。
Aがおれよりも誰かを選んだどうしよう。
Aが俺じゃない誰かを好きになったらどうしよう。
気持ちばかり焦ってAにくっついて、嫌われるんじゃないかってくらいにつきまとったけれど、Aはいつも困ったように笑っては俺に付き合ってくれる。
でも、あと一歩がなかなか踏み出せなくて。
「……初詣くらい、友達でも行くよな」
無理やり自分を納得させて、深夜2時にあけましておめでとうと初詣に誘うメールを急いで送った。
「横尾君！」
「お、あけおめー」
「おめでとう」
時間ピッタリに駅前へと来てくれたAはいつもの制服姿とは違って、あったかそうなセーターとミニスカートで恥ずかしそうに笑った。
「すごい人だね」
「まぁ、元旦だし？」
「横尾くんはご家族と行かなくていいの？」
「あー、おれんとこは兄ちゃんたちももう結婚しちゃってるしそれぞれって感じかなぁ」
「そっか」
横尾君って末っ子だったんだといったAが、人ごみの中すれ違う人とぶつかって。
「……った」
「大丈夫？」
「うん、私ちゃんと見てなかったから…」
大丈夫、というAの手をつないで、指をからめる。
恋人みたいなつなぎ方をして、やりすぎたかなぁとAを観れば真っ赤な顔をしたAが下を向いていて。
「……ほら、人ごみだから」
「……うん」
無理やりに理由をつけたその手は、振りほどかれることはなくて。
そっと力を込めたその指先を握り返されたことにしあわせを感じた、新年の初め。
それでもお互いの気持ちを確かめる勇気のなかった、1月。
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めろんぱん(プロフ) - ソフィアさん» そのCD私も欲しいです……!!全部噛みまくりでまたそこに悶えたい……！文章ではいつも書かないのですが作品の中の横尾さんは脳内再生すると大抵噛んでます(笑)コメントありがとうございました(^-^*) (2015年10月9日 9時) (
レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - あぁ、横尾さんに耳元で囁かれる自分を想像して、悶えまくりました。いろんなシチュのセリフ収めたCDおまけにつかないかなぁと思ってしまいました。 (2015年10月9日 0時) (レス) id: 6b7ef48c3f (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 藍生あいさん» いろいろ読んでいただきありがとうございます(^-^*)みっくん、結構いつも悩みながら書くのでそういっていただけてうれしいです。不定期になりますが、こつこつ更新していきますので、また遊びにきてください！ (2015年9月22日 11時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
藍生あい(プロフ) - 大変楽しく拝見しております(ほかの作品も)こちらのみっくんもすてきですね。また執筆活動頑張ってくださいませ。 (2015年9月22日 4時) (レス) id: 50b57f5c69 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ソフィアさん» お仕事おつかれさまです(^-^*)お忙しいのに遊びに来ていただけるなんてうれしいです。昔はみっくんを書くのにかなり悩んだりしてたのですが、今回は結構すらすら書けました（過去の失敗談も役に立ちましたし……笑）。またぜひ遊びに来て下さいね♪ (2015年9月19日 1時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2015年9月14日 23時
