見られてしまった７月〈side Y〉 ページ17
「あー…めんどくさ」
昼にいわれた、『どうしてもクラスまで迎えに来てほしい』という彼女のわがままに押し切られて歩きなれない２年生の廊下を歩いていた。
彼女と付き合って２ヶ月の間に抱いた感情はめんどくさい、というそれだけで、もう正直一緒にいるのはつらいな…なんて。
そんなことを思いながら彼女の教室の前につく。
「あ、渉！」
「…うん」
「あのね…今日は」
きっとまた駅前のなんとか、とかそんなことだろうと話半分に聞きながらポケットに手を突っ込むと、入れていたはずの携帯が見当たらなくて。
「渉！聞いてるの？」
「ごめんごめん、ケータイ教室に忘れちゃった」
取ってくるからそのあとゆっくりね、というといらいらした様子で私も行く、と腕をからめてくる。
階段を下りる間、２人の会話はない。
夏休み直前の学校は、放課後ともなれば全然人気はなくて。
「じゃあ、ちょっととってくる」
さっき終わったばかりの野球部の大きなスポーツバッグを背負って教室のドアを開けようとする俺の手を、彼女がつかんだ。
「渉、別れてほしいんだけど」
「……へ？」
突然の彼女の言葉に驚いて振り返れば、いらだった表情の彼女がいて。
「顔がちょっといいから付き合ってあげたけど…渉ってなんだかつまんない」
「…は？」
「だから！渉といても面白くないっていってるの」
つまんない？
面白くない？
そっちが勝手に告白してきて、勝手にいい女ぶってるだけだろうが。
「……いいよ」
「え…」
「俺もすっげーめんどくさいって思ってたし、正直すごいつまんなかったし」
あと化粧けばすぎでしょ、と思いつくまま正直に告げると、歪んでいく顔。
「………た」
「へ？」
「あんたなんかと付き合ってやるなんて言わなきゃよかった！サイテー！」
派手に俺の頬をビンタした彼女はそのままどこかにいってしまった。
「あー…いってぇ」
思い切りやっちゃってくれたよなぁ…と教室のドアを開ける、と。
「あっ…あの」
「あ…」
誰もいないと思っていた中にはクラスメイトの女子がいて。
明らかに気まずそうにその子は視線をそらした。
「あー…なんかさ」
「あの！なにも聞いてないんで大丈夫です！」
「は？いや、ちょっと…！」
大丈夫です、と一方的に告げた彼女は逃げるように…というか逃げて行ってしまって。
びっくりして、その背中を呼び止めようとして気が付いた。
「あの子……」
一番気まずい場面を見られてしまった彼女の名前がわからなかった、７月の暑い午後。
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めろんぱん(プロフ) - ソフィアさん» そのCD私も欲しいです……!!全部噛みまくりでまたそこに悶えたい……！文章ではいつも書かないのですが作品の中の横尾さんは脳内再生すると大抵噛んでます(笑)コメントありがとうございました(^-^*) (2015年10月9日 9時) (
レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
ソフィア(プロフ) - あぁ、横尾さんに耳元で囁かれる自分を想像して、悶えまくりました。いろんなシチュのセリフ収めたCDおまけにつかないかなぁと思ってしまいました。 (2015年10月9日 0時) (レス) id: 6b7ef48c3f (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 藍生あいさん» いろいろ読んでいただきありがとうございます(^-^*)みっくん、結構いつも悩みながら書くのでそういっていただけてうれしいです。不定期になりますが、こつこつ更新していきますので、また遊びにきてください！ (2015年9月22日 11時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
藍生あい(プロフ) - 大変楽しく拝見しております(ほかの作品も)こちらのみっくんもすてきですね。また執筆活動頑張ってくださいませ。 (2015年9月22日 4時) (レス) id: 50b57f5c69 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ソフィアさん» お仕事おつかれさまです(^-^*)お忙しいのに遊びに来ていただけるなんてうれしいです。昔はみっくんを書くのにかなり悩んだりしてたのですが、今回は結構すらすら書けました（過去の失敗談も役に立ちましたし……笑）。またぜひ遊びに来て下さいね♪ (2015年9月19日 1時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2015年9月14日 23時
