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「プラネタリウム?じゃあ今日行く?」
「え、今日ですか」
「好きなんでしょ?」
「好き、ですけど」
「じゃあ行こうよ」
夜なんか予定ある?と強引に聞いたのは、俺以外のだれかと会うなんてやだっていう独占欲がわいたから。
もしないならまだまだ帰したくないとう気持ちもある。
「…どう、かな」
急ぎすぎた?と河嶋さんを見れば藤ヶ谷さんがいいなら…と言ってくれて。
「俺次いつオフになるかもわかんないし、いけそうならこれから行かない?」
夕ごはんは適当になるけど…と笑えば、河嶋さんもじゃあと頷いてくれた。
「東京都の秋の空のプラネタリウムがありますよ」
「じゃあそれにしようか」
東京都の空なんて見る機会もないしとプラネタリウムをやっている場所をナビに入れて車を出す。
「プラネタリウム、好きなの?」
夜の一番最後の上演のチケットを取って、念のため端っこの席に2人で座る。
始まるまでの間薄暗い中でこそこそと話をする。
「好きです」
見えないってわかっていてもベランダからよく空を見ているので、と河嶋さんはまだ何も映っていないプラネタリウムを見上げる。
「そっか、俺はあんまり東京で空見上げたことはなかったなぁ」
「なかなか見えませんもんね」
中学校の頃、理科の星座と惑星のテストだけは満点だったんです、とうれしそうに話す河嶋さんをみつめながら、その笑顔に思わず見とれる。
「じゃあ冬になったらさ、スキー場とか行って星みようよ」
「スキー、できませんよ?」
「いいじゃん、俺もサーフィンするけどウィンタースポーツは全然しないから」
また2人で盛大に転ぼっか、と顔を見合わせて笑う。
「じゃあ今度こそウェア見に行こう」
「え、レンタルで…」
「だーめ、何回もいくかもしれないし」
形から入るのもいいもんだよ、といえばまじまじと河嶋さんは俺の顔を見た。
「どうした?」
「え…っと、藤ヶ谷さんは」
うん、と言いかけたところでアナウンスが入ってしまってそのままプラネタリウムが始まる。
云いかけた言葉をやめてしまった河嶋さんはまっすぐにプラネタリウムを見上げる。
その横顔をちらりと見て、そろそろとその手に俺の手を重ねて握る。
すこしだけ、その手に力が入って。
彼女も握り返してくれたのだとわかった。
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めろんぱん(プロフ) - minaさん» はじめまして(^-^*)コメントありがとうございます!そして曲まで聴いて下さったんですね!このお話を書くのにどうしても使いたかった曲なので、実物を聞いていただけてうれしいです。これからも不定期更新ですが頑張りますのでまたぜひ遊びに来て下さいね! (2015年9月2日 2時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 初めまして。この作品の更新を楽しみにしてます!minaです。突然のコメント失礼します(_ _) めろんぱんさんが紹介してた曲、聴きました。すごくいい曲でこの前までの自分の気持ちと同じ歌詞で泣きました。 (2015年9月1日 16時) (レス) id: 8608d5ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年8月6日 2時