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『大丈夫、がんばれ』
出がけに彼女に言われた言葉がぐるぐると頭の中をめぐる。
そうはいってもメイク室は河嶋さんと2人きりになれる環境で、昨日気づいてしまったこの気持ちが伝わってしまいそうでいつになく緊張しながらメイク室のドアを開けた。
「おはよ、河嶋さん」
「おはようございます、藤ヶ谷さん」
いつも通り無地のシャツに細見のパンツスタイルの河嶋さんはどうぞ、と軽く椅子を引いた。
「……なんか藤ヶ谷さんいいことありました？」
「へっ…な、なんで？」
「えーっと…なんとなくですけど顔色がいいですし」
なんか最近考え込んでる感じがしたので、と妙に勘のいい河嶋さんに全部ばれたのかとドキッとしたけど。
とりあえず気を取り直して、昨日彼女に言われたことを思い出す。
『スタッフさんはまだ太ちゃんが私のこと好きだって思ってるから、ちゃんと誤解を解いてあげなきゃだめだよ』
「あ、あのさ」
「…はい」
「俺、前言ってた好きな人のこと……ちゃんと昇華できたみたい」
「それはよかったですね」
かなわないままだとつらいですもんね、と少しさみしそうに言った河嶋さんの声にかぶせるように、それでさ、と続ける。
「最近行けてなかったんだけどまた前みたいに飲みにいかない？」
「……でも、もう相談は必要ないですよね？」
「相談じゃないくて、普通にしゃべりたいだけなんだけど…だめ？」
鏡越しに目を合わせれば、驚いたようにこちらをみる河嶋さんが映っていて。
「まだデビュー前によく言ってた居酒屋と定食屋の間みたいな店があるんだけどさ、そこのから揚げが最近なつかしいんだよね…って思ってたんだけど付き合ってくれない？」
「……でも」
「普通に友達として、お願い？」
もう一度目を合わせれば、河嶋さんが耐えきれず吹き出して。
「わかりました、いいですよ」
「めっちゃ汚い店だけどいい？」
「気にしません」
その定食屋は俺がジュニアのころ、お金がないなか通った店で。
食べ盛りだから、といつもおかずを一品余計につけてくれたりから揚げを増やしてくれたりするおばちゃんの優しさに、絶対売れようって思った…そんな店。
もちろん誰も連れて行ったことはなかった。
それだけ思い入れのある店だからこそ、河嶋さんと行きたくて。
「じゃあ今日の夜でいい？」
「はい」
じゃあ撮影終わったら連絡いれるね、とメイク室を出てにやけた顔が収まるまでが打屋に戻れずうろうろと歩き回った。
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めろんぱん(プロフ) - minaさん» はじめまして(^-^*)コメントありがとうございます！そして曲まで聴いて下さったんですね！このお話を書くのにどうしても使いたかった曲なので、実物を聞いていただけてうれしいです。これからも不定期更新ですが頑張りますのでまたぜひ遊びに来て下さいね！ (2015年9月2日 2時) (
レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 初めまして。この作品の更新を楽しみにしてます！minaです。突然のコメント失礼します(_ _) めろんぱんさんが紹介してた曲、聴きました。すごくいい曲でこの前までの自分の気持ちと同じ歌詞で泣きました。 (2015年9月1日 16時) (レス) id: 8608d5ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろんぱん | 作成日時：2015年8月6日 2時
