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「……藤ヶ谷さんは」
なし崩し的に乾杯をして、料理をつつく。
なんとなく河嶋さんの話を聞いていいものか考えあぐねてしまって変にたわいもない話を振ったりしていると、ぽつりと河嶋さんがつぶやいた。
「ん?何?」
「……私の恋愛、そんなに気になるんですか?」
そのまま日本酒のおちょこ片手に俺の目をまっすぐ見る河嶋さん。
「うーん、気になるっていうか、河嶋さんも俺と一緒って言ってたからさ、話せば楽になるかなとか勝手に思ってたんだけど」
半分は俺ばっかしゃべってるから河嶋さんんことも知りたいなって思ったんだけどね、といえば、困ったように視線をさまよわせた河嶋さんは再び俺の目を見て。
「……面白い話じゃないですよ?」
さみしそうに笑った河嶋さんは、酔っぱらいの独り言だと思ってください、と言った…。
「…私がその人を好きだって気が付いたのはいつだったのか、もう覚えていないくらい前なんですけど」
初めは、なんとも思っていなかったんです、という河嶋さんの瞳はまさに恋をしているそれで、本当にその男の事が好きなんだと実感した。
「……でも、その気持ちを伝えることなんて最初から考えてもいなくて」
「……そっか」
「…そばにいられれば、みていられれば幸せだし、その気持ちは今もかわらなくて」
でもたまに、出会わなければ、とかもっとこうしていれば、とか思っちゃいますけどね、とつぶやいて河嶋さんはまたお酒を飲んだ。
そんな河嶋さんを見てなんとなく…本当になんとなく気が付いてしまった。
…河嶋さんの好きな人は、きっと俺と同じ業界の人だって。
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めろんぱん(プロフ) - minaさん» はじめまして(^-^*)コメントありがとうございます!そして曲まで聴いて下さったんですね!このお話を書くのにどうしても使いたかった曲なので、実物を聞いていただけてうれしいです。これからも不定期更新ですが頑張りますのでまたぜひ遊びに来て下さいね! (2015年9月2日 2時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 初めまして。この作品の更新を楽しみにしてます!minaです。突然のコメント失礼します(_ _) めろんぱんさんが紹介してた曲、聴きました。すごくいい曲でこの前までの自分の気持ちと同じ歌詞で泣きました。 (2015年9月1日 16時) (レス) id: 8608d5ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年8月6日 2時