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「あ、こんなのどうですか?」
河嶋さんの声にそちらを向けば、やわらかい色合いのスーツが目に入る。
一応芸能人だからとVIPルームじゃないけど店舗からはちょっと奥まった部屋にいくつか服を持ってきてもらって、それを2人でじっくりとみていた。
もとから結構渉の好きなデザインの多いブランドだったからいいものがあるだろうと踏んでいたけれど、思っていた以上にいいものが見つかったみたいだ。
「縫製もすごくきれいだし」
「……うん、この刺繍いいね」
遠目ではシンプルに見えるそのスーツはよく見ると細かい刺繍が模様のように細かく入っていて、とても凝ったつくりだということがわかる。
でも決して派手すぎるとかステージ衣装っぽい感じもなくて、渉の長い手足によく似合いそうだと思った。
「じゃあこれにしようかな」
「……じゃあポケットチーフはこんなのはどうですか?」
スーツもシャツもシンプルだから、これっくらい遊んでもいいと思いますよと河嶋さんが手に取ったのはおーガンジーのような薄手の生地の、虹色のチーフ。
「すご!俺らの色じゃん」
「こんなのあるんですね」
私も初めてみました、といいながらキラキラした目で小物やスーツを見つめる河嶋さんは本当にメイクとか、衣装とかこういう仕事が好きなんだなという顔で。
「河嶋さんってメイクだけじゃなくてこういうのも興味あるの?」
「……母が、デザイナーだったので」
自分で着ることに興味はないですけど、人にきてもらうのは好きですよという河嶋さんの恰好はたしかにいつもシンプルなシャツにパンツばかりだ。
「せっかく河嶋さん顔立ちきれいなんだからおしゃれしたらいいのに」
「いえ、動きやすいのが一番です」
本当に興味ないので、といいながら違うスーツをまたキラキラした目で見始める河嶋さんの後ろ姿を見て、いつかすっごく似合う服をプレゼントしたらびっくりするかな、なんて考えていた。
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めろんぱん(プロフ) - minaさん» はじめまして(^-^*)コメントありがとうございます!そして曲まで聴いて下さったんですね!このお話を書くのにどうしても使いたかった曲なので、実物を聞いていただけてうれしいです。これからも不定期更新ですが頑張りますのでまたぜひ遊びに来て下さいね! (2015年9月2日 2時) (レス) id: 694980591a (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 初めまして。この作品の更新を楽しみにしてます!minaです。突然のコメント失礼します(_ _) めろんぱんさんが紹介してた曲、聴きました。すごくいい曲でこの前までの自分の気持ちと同じ歌詞で泣きました。 (2015年9月1日 16時) (レス) id: 8608d5ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年8月6日 2時