僕の楽園を探す旅−『近くて遠い、僕ら』番外編−

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「ねぇ、渉とあんまりしゃべんないの？」

３日後、河嶋さんと待ち合わせをして車に乗り込むと、気になっていたことを切り出す。
こないだの撮影で渉があんまりさんと仲良くない様子だったことがどうにも気になっていて。
「…私、人見知りなんです」
横尾さんとは必要な話以外あまりお話しないですね、という河嶋さん。
「俺も人見知りなのに結構話してるよね？俺ら」
「うーん…藤ヶ谷さんとは人見知り同士だからじゃないですか？」
「そういうもの？」
「…適当に言いました、すみません」
そう笑った河嶋さんは窓の外に視線を移す。
「………今日さ」
「……はい」
「無理言ったよね、ごめん」
「いえ、ただ……」
昼間から私がこんなところにいていいのかなって、不安になりましたという言葉にどういう意味？と聞き返す。
「…国民的アイドルグループなのに、一般人がわざわざ待ち合わせまでしていただくなんて…」
「いやいや、プライベートな俺はただの２８歳の等身大の俺だよ」
それに今日は渉の洋服見に行くのに、俺が付き合ってもらったんだからといえば。
「…私、人見知りなんであんまり誘われなれてないんです」
「あ！わかる！誘われるとさ、結構身構えちゃったりするよね」
「それなのにそんな私をわざわざ誘うなんて……藤ヶ谷さん変わってますよ」
「そうかな」
「そうですよ」
意味のないそうかなとそうですのやり取りがしばらく続いて、耐え切れなくなったのか河嶋さんが噴出して。

「……私たち、結構変ですよね」
「いまさら？」
「すみません、実は気づいてました」

河嶋さんの言葉に、俺も耐え切れず笑った。

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