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「え、赤くなったってことは俺?」
「それはない!」
冗談で言ったけど速攻で否定されるのもなんだか悲しいものがある。
「じゃあ誰?」
思い浮かぶのは2人のチャラ男の顔。きっと玉はAにとって特別だけど、それは友達としての特別だろうから…。
「北山?藤ヶ谷?」
「…っえ…?!」
「あれ、違った?横尾さん?」
「なんで横尾君?」
その返答は横尾さんじゃないってことなんでしょ?ってことは…。
「やーっぱり、藤ヶ谷?」
Aが少し変わったのは藤ヶ谷に会ってからだし。
やっぱり図星だったみたいでますます顔が赤くなるA。
「………やっぱりわかりやすい?」
「え、ホントに?」
「…聞いたのは宮っちなのに」
「いや、そういうことじゃなくて…藤ヶ谷は前からAに色々言ってたけど、正直あんまり関わりなかったじゃん」
友達になった、とはいえAと藤ヶ谷はそんなに話してる姿を見たことがない。
基本Aは横尾さんや俺らと笑い合ってることが多いし、そんなAを藤ヶ谷は眺めてるけど口を出すことはなくて、意外に人見知りなんだなって思った覚えがある。
「…誰にも、言わないでね」
「だから…」
「うん、でも言わないでね」
何度も何度もAはそう確認して。
「藤ヶ谷くん、毎週水曜日に図書室で本読んでたの」
「…へ?」
「別にたくさん話したわけじゃないけど…お勧めの本教えてって言われて」
あと一回脚立から落ちて助けてもらったかなぁ…と爆弾発言がいっぱい飛び出すA。
「…十分だよ、A」
「へ?何が?」
「十分びっくりさせられたってこと!」
「…実はそのあとみっくんに告白されて…抱きしめられたけど藤ヶ谷君と違ってどきどきしないなって思ったんだよね」
「……ごめん、さっきのびっくり超えたかも」
訂正。
俺が知らない間に親友はいろんなことを体験しちゃったみたいだ。
「でもこないだは、好きな人なんていないって言ったよね」
「あ…あれは…藤ヶ谷君『両想いになると冷める』って前に言ってたから」
私は何か言うつもりはない、というAにこれまでのいろいろなことのつじつまが合ってくる。
「とりあえず、思ったより藤ヶ谷はいいやつなわけだ」
「うん、優しいし意外にシャイだし」
でも、叶わない恋ってなんだか切ないね、と笑ったAがすごく綺麗に見えて、ぽんぽんと頭を撫でた。
*題名はオペラ『フィガロの結婚』から。なんだか月9みたいになっちゃいました…。
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めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時