2 ページ43
「そーいえばさ、夏休みの予定は?」
口の端にハンバーグソースをつけながら北山が顔をあげる。
「んー…宮っちと私は基本図書室だよね」
休み中も普通にやってるし、とオムライスのスプーンをくわえるAちゃんと頷く宮田。
それに便乗して俺も毎日Aたちといるーと言っているのはAちゃんと半分こしようとパスタを取り分けている玉森。
「え、じゃあ遊びに行ってもいい?」
「みっくんはだめ、うるさいもん」
「俺だって静かに勉強するときだってありますー」
「そっか、補習だもんね」
「うっせー!」
「じゃあ俺もたまに遊びに行こうっと」
「横尾君は大歓迎だよー」
「へ?俺は俺は?」
「だからみっくんはうるさいからやだー」
ぎゃあぎゃあとうるさくなった5人をなんとなく見ながら定食に手を付けていると、Aちゃんがちらりとこちらを見て。
「あ、藤ヶ谷君もたまにはおいでよ」
「へ?あ…うん!」
「おすすめの本見つけとくから!」
相変わらずちょっと目線はずれていたけどAちゃんがおれのこともちゃんと友達だって認識してくれてるのがうれしくて顔が自然にほころぶ。
「そうそう、夏休みの予定を聞いたのはさ、実は俺サッカー部の試合あるんだよね」
8月の最後の土曜日にあるんだけど、と言い出した北山はAちゃんの方をじっと見つめて。
「A応援しに来てよ」
ね?と笑う顔は男の俺でもどきりとするくらいさわやかでイケメンで。
「えー…サッカーよくわからないから」
「いや!絶対見てみたら面白いって」
A来てくれたら点数いれる自信ある!なんてどっかのマンガみたいなセリフを言った北山はおもむろに向かいに座るAちゃんの手をぎゅっと握る。
その瞬間苛立ちとか焦りで心臓が苦しくなったけど、俺には何もできなくて。
「…そういえば太輔もバスケ部の試合あるんじゃない?」
「あ…うん、同じくらいの時期に」
「まじ?!かぶってる?」
北山に言われてあわててううん、と大きく首を振った。
でも…実は試合は8月の最後の土曜日…北山と同じ日にあった。
俺だって見に来てよって言いたかったけど、きっと言ってもAちゃんは来てくれないだろう。
来るかもって期待してAちゃんを待つのはつらすぎる、だから。
「違う日だし、うちの高校でやんないかもしれないからさ」
北山との勝負から逃げてアイスコーヒーのストローをくわえた。
夏のひとコマ―恋とはどんなものかしら― side M 1→←夏休みの訪れ 1
139人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時