Hate You!〈F.Taisuke〉

夏休みの訪れ　１ ページ42

「1学期終わったー！」
「俺はまだ補習…」
「うへぇ…俺も数学補習組」
「宮っちと私は全教科ちゃんと点数採れたもんね」
終業式の後、午前中で学校も終わりだから近くのファミレスにでも行こうかといつものメンバーでファミレスにやってきた。
とりあえず昼ごはんとドリンクバーを注文して、落ち着いたら期末テストや補習の話ばっかり。
そんな俺も他人のことは言えなくて…結構補習が詰まってて部活に影響出ちゃうかも。

「あ、そうだAちゃん」

ななめ前に座るAちゃん(席順で軽く3分はもめた)に声をかければ何？と返ってくるけれど。
あれ…なんか変だ。
友達になってからはAちゃんと話をするときはいつも目を見て俺の話を聞いてくれていたのに、Aちゃんと目が合わない。
手元のグラスをかたくなに見つめるAちゃんになんだかおかしいと思いながらこの間話した花火大会の件を持ち出す。
「みんなに言った？花火大会のこと」
「…言ってなかった」
藤ヶ谷君が皆と花火大会に行きたいんだって、って別に俺は『皆と』じゃなくて『Aちゃん+ついてくる友人たち』と行きたいんだけど細かいことはこの際おいておいて。
「そう、せっかく仲良くなったんだしどう？」
なるべく下心がないように言ってみたけど散々前にAちゃんと付き合いたいとか言いまくったから…まぁ魂胆は見え見えだろう。
でも宮田も玉森も…皆で行くことに一番反対しそうな北山までいいよと頷いてくれて。
「え、いいの？」
「いいよ、だってAが行きたそうだし」
Aちゃん中心で答えたのは玉森。
「Aとどっか遊びに行くの久々だしね」
そう答えたのは中学生のころから仲がいい宮田。
「ってか…藤ヶ谷とA2人にしたくないしな！」
直球を返してきたのは目下の敵、北山。
答えは三者三様だったけど無事に皆で行くことが決まってほっと胸をなでおろす。
Aちゃんと2人で…っていうのも理想だけど、今はまだ2人になるには早い。
きっとAちゃんだって警戒しちゃうだろうし、何よりAちゃんの保護者兼友人の男2人が何としてもついてきそうだ。

「A浴衣着てきてね？」
「ええっやだよー」
「じゃあ俺らも浴衣着るから…どう？皆で浴衣」
「えー……」

ノリノリで宮田がAチャンに浴衣を着て来いと言いまくって結局Aちゃんが折れて。
Aちゃんの浴衣可愛いだろうな、なんて想像してたらちょうど注文していた飯が運ばれてきた。

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