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「みっくん、おつかれさま」
「もうめっちゃ肩こったー…」
うへー…と椅子に力なく座り込むみっくんに本を置いて近づく。
「おつかれさま」
「もう微分積分って何語?!ってかんじ」
「なんなら今度教えてあげる」
「まじ!ありがとうA」
座り込んだみっくんがうれしそうにこちらを向いて。
「あれ?Aほっぺたになんか黒いのついてる」
「ん?あー…さっき脚立から落ちたの」
バランス崩しちゃって、と苦笑すればみっくんは大げさに驚いて椅子から勢いよく立ちあがる。
「大丈夫なのか?!」
「うん、藤ヶ谷君が助けてくれて」
怪我はないよ、と言えばみっくんはよかったなと笑ってくれるはずが真面目な顔でこちらを見ていて。
「A」
「え…あの…ちょっ…」
勢い良く腕を引かれて、みっくんの腕の中にすっぽり包まれる。
「ちょっと…!」
「いいから」
みっくんのおひさまみたいなあったかい腕に包まれて。


「…あのさ、小さいころの約束覚えてる?」


小さいころの約束…と言われて考え込む私に笑いかけたみっくんは、しょうがないなと口を開いた。
「大きくなったら結婚しようね!ってあれ」
「……あ!」
「なに?やっぱ忘れてた?」
ひでぇー…と声を出して笑ったみっくんは、ふと真面目な顔に戻って。



「あのころの約束、まだ有効かな、なんて」



俺Aのこと好きなんだけど、というその言葉をどこか他人事のように聞く。
でも、みっくんを『好き』だなんて思えない私がいて。
「あの…みっくん」
「あ、断ろうとしてるだろ?」
「あの、でも…」
「答えはちょっと待って!別に今すぐどうこうじゃなくて俺の気持ちをちゃんと知ってほしかっただけだから」
まぁちょっと藤ヶ谷に嫉妬したけどな、と笑ったみっくんはもう少し考えてみてくれない?と言うから思わず頷いてしまう。
「よし、じゃあ絶対好きになってもらうから」
「え、みっくん?」
「じゃ、帰るな」
また明日、とみっくんは鞄を持って図書室を出て行ってしまった。





『好きなんだけど』と言う言葉が頭の中をめぐる。
安心するような暖かい腕。
優しい言葉。
小さいころからいつも一緒だったみっくんのことは好きだ。
でも。

みっくんに抱きしめられても少しもどきどきしない心臓に、ようやくその直前に心臓が破裂してしまいそうなほどドキドキしたその理由が脚立から落ちたからではないことに気がついてしまう。

いつから?とかなんで?なんてわからないけど。
私は…藤ヶ谷君が好き、なんだ。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , キスマイ , 藤ヶ谷太輔   
作品ジャンル:タレント
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めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時

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