気になるあいつ 1 ページ33
「はぁ……」
屋上での貴重な昼休み。
特にAちゃんが俺も一緒にご飯を食べてもいいって言ってくれてからは、本当に貴重なAちゃんとの時間…のはずだった。
実際一緒にご飯を食べてみればAちゃんは渉とばっかり話すし。
玉森には作ってる弁当を俺には作ってくれる気はないようだし。
なんだかんだ言って一番最後は宮田と玉森の間で楽しそうに笑うAちゃんを少し離れて眺めることが多くて。
Aちゃんのことが本当に好きだと自覚してからもう無理やり付き合おうとか思うことがなくなった。
ただ、声が聴きたい。
ただ、近くで顔が見たい。
その目で俺のことを見つめてほしい。
今まで泣かせた女の子の数(比喩ではなくて実際に泣かせた女の子、だ)だけは負けない自信があるくらいの自他ともに認める遊び人だったのに、恋愛をするとこんなに変わるものかと自分でも驚いてしまう。
それでも。
Aちゃんが藤ヶ谷君って呼んでくれる。
それだけで胸が苦しくて、切なくなって。
これが『恋』なんだと初めて知った。
でも、この光景は俺の予想とか未来予想とかいろんなものを全部裏切ってるんじゃないだろうか。
「A、あいかわらずちっちゃいな」
「うるさいみっくん!みっくんだってちっちゃいじゃん」
「俺はぁー…そう!地面にめりこんでるだけだから!」
「へー、コンクリの床にめりこむなんて器用ですねー」
「っナマイキ!」
期末テストが終わってもう少しで夏休みというこの時期にとつぜんやってきた転校生はAちゃんの幼馴染らしい。
玉森と同じクラスの北山は持ち前の明るさと人懐っこさで転校してまだ1週間なのに俺よりかっこいい、とか俺並みにチャラい、とかそんな噂が聞こえてくるくらいの人気者。
でも北山はたくさんの女の子には興味がないみたいだ。
Aちゃんと一緒にいる時間に彼が入り込んできて。
当たり前のように誰より近くで笑い合う、あいつ。
「みっくん、あれみて!」
「ん?」
屋上から何かを見下ろして肩を寄せ合う北山とAちゃんの笑顔を見ていたくなくて、わざと向こうの方を向いていた。
139人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時