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「…暑」
「なんで梅雨開けってこんなに暑いんだろうね」
「もうちょっとじわじわ暑くなってほしいよね…」
梅雨も明けて屋上での昼休みが再開した。
今日は藤ヶ谷君も横尾君もいない、3人だけのお昼ご飯。
「はい、Aのいちごミルクと俺らのカフェオレ」
「玉ちゃんありがとう」
「玉ー、俺のだけブラックなんだけど!」
「ああ、それわざと」
「玉ぁー!」
3人だけの、いつもの昼休みだ。
「今日は3人分作ってきたよ」
「まじ?!」
「サンドウィッチだけどね」
「Aのサンドウィッチフランスパンだから好きー」
大き目のバスケットをあけてスモークサーモンサンドや生ハムトマトサンドを2人に手渡した。
「野菜サンドもあるからちゃんと野菜も食べてね」
「いただきまーす」
青い空の下、3人でパンにかぶりつく。
やっぱり3人で食べるごはんが一番だ。
「そういえばさ、今日うちのクラスに転校生が来たんだよね」
もぐもぐとご飯を食べながら玉ちゃんがそんなことを言い出す。
「こんな時期に?」
「うーん、なんか急な転勤だったみたいだけど」
ずいぶんチャラそうな感じの男子だったよ、と大して興味もなさそうに玉ちゃんが言った。
「チャラ…って藤ヶ谷君くらい?」
「あー、いい勝負かも」
「うちの学年すごいな!」
「でも…めずらしいよね、夏休み前なのに」
「会社によっては7月からの辞令ってあるからね」
「あー…なるほど」
あとで玉ちゃんのクラスのぞいてみる?なんて話をしながらご飯を食べていた時だった。
「A、やっぱりここにいた」
ほんの1か月前、藤ヶ谷君が突然屋上に来たように屋上の扉がぎぃ…と開く。
3人で扉の方を見れば、茶色と言うより金に近い髪の男子がこちらを見てにぃっと笑っていた。
「A、俺のこと忘れちゃった?」
「A知り合い?」
「えっと…」
ポケットに手を突っ込んでこちらに向かってくる小柄な姿。
大きな目と上がった口角。
そしていかにも明るい人好きのする顔立ち。
「……もしかして、みっくん?」
「久しぶり」
「なんで?だってお父さんの転勤でアメリカに行くって…」
「んー、また日本勤務になったから帰ってきた」
あっという間に隣まで歩いてきて私の頭をわしゃわしゃと撫でたのは。
「A、幼馴染におかえりは?」
「…おかえりみっくん」
小学校まで近所に住んでいて一番仲が良かった幼馴染の北山宏光、その人だった。
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めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時