俺の日常 1 ページ3
「…ちゃん、兄ちゃん!」
「……んだよ、うっせぇな…」
「煩くてもなんでも、そろそろ起きないと遅刻するって…」
それに、もう横尾君来てるよ?と言われてがばりとベッドの上に起き上がる。
「え!渉来てるの?!」
「だからそう言ってるじゃん…」
うんざりした顔でそう言った俺のすぐ下の弟を押しのけてスウェットのまま廊下に出ると、階段わきにスタイルのいい長身がもたれていた。
「太輔、おはよ」
遅刻しちゃうから早く着替えておいで、と朝からお母さん全開でいう渉にうん!と明るく返して部屋に取って返す。
「ったく…兄ちゃん横尾君のいうことだけは聞くんだから」
「なんか渉って母性にあふれてて安心するんだよなぁ…」
「うわ、まじで意味わかんねぇ」
すっかり学校に行く準備のできている弟はリビングに弁当あるから、と一言言って部屋を出ていった。
スウェットを勢いよく脱いで、制服に袖を通す。
学校指定のネクタイを緩く巻いて、ブレザーを着崩して。
金のブレスやネックレスなんかを制服に合わせて最後に鏡を確認すれば、ちょっと寝癖はついているけど『無造作』っぽい。
少しだけワックスで整えたら、渉が待っているからと急いで部屋を出る。
「おまたせ!」
「おー、早かったね」
「だって渉が待ってると思ったら」
「はいはい、ならもうちょい早く起きろよなー」
『ならもうちょい』がちょっと怪しかったけれど八重歯を見せて笑ってくれた渉と一階に下りれば、リビングはすっかり人気がなくなっていて。
「弁当って…これか」
机の上に置かれた1000円札にこれは弁当とはいわねぇだろ、と小さく突っ込みを入れつつありがたく財布にいれさせてもらう。
両親は教師で、毎日多忙だからか俺よりもうんと早く家を出ていく。
2人の弟も朝は得意なようでなんだかんだで俺が最後に家を出ることが多かった。
「んー…いい天気」
「だね、野球日和」
「いやいや、昼寝日和だろ」
昨日見たテレビの話だとか、今日の英語の小テストがだるいとかそんなことを言いながら通学するのが俺の日常。
「おはよー」
「お、おはよ!」
「おはよう」
教室でクラスメイトとあいさつを交わして席に着く。
予鈴まではあと10分。
急げば高校の向かいのコンビニで朝ごはんくらい買えるかな、なんて思っていた時だった。
「太輔!!ちょっと…どういうことなのっ」
さわやかな朝におよそ似つかわしくないヒステリックな声が教室に響いた。
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めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時