はじまりを、君は知らない ページ2
「やっぱり誰も来ないねー…」
「失礼だな、宮田」
俺が来てやってるだろ?と同じクラスで幼馴染でもある、俺の数少ない親友と呼べる人物でもある玉森裕太がカウンターの前まで椅子を引きずってきてどっかりと座り込んでそういった。
「玉ちゃん、カウンターの中入っていいからそこに椅子置かないでって」
先生来たら怒られるよ?とこちらを見たのは河嶋A。
俺と同じ図書委員でついでに言うと…俺のもう一人の親友。
校則通りの制服。
肩より少し長いくらいの真っ黒な髪。
銀のフレームのめがねが少しだけ冷たい印象に見せるけれど、実はとっても優しくて。
…恋ではないけれど、大切な人。
人付き合いの少し苦手な俺のことをまっすぐ見てくれる数少ない友人だ。
俺たちは中学校1年の時に同じクラスの図書委員として出会って、意気投合して現在に至る。
高校2年になった今もやっぱり同じクラスの図書委員で、こうして毎日のようにカウンターの中で委員の仕事をしているとみせかけて明日の授業の予習をしたりこうして無駄話を楽しむ仲だ。
「A、めっちゃここまぶしい…」
玉もすっかりAになついて、図書委員とは全く関係のない玉もこうして我が物顔でカウンターの中にいる。
「あ、ごめんごめん、カーテンしめてくるね」
笑顔で立ち上がったAについて俺もカーテンを閉めに行く。
西日があたるこの図書室は、少し早めにカーテンを閉めないと本が傷んでしまうのだ。
カウンターに近い方から順にカーテンを閉めていくと、ちょうど真ん中のあたりで立ち止まって窓の外を見ているA。
「どうした?」
「んー…なんか、声がするなぁって思って」
Aにつられて外をのぞきこめば、明るい茶髪の後頭部とかすかに聞こえる『好きみたい』の声。
「あ、藤ヶ谷だ」
「藤ヶ谷…って同じ学年の?」
「そうそう、あのチャラいって有名な藤ヶ谷」
何、Aタイプなの?と茶化せば、そんなわけないじゃないと笑われて。
「あんな風に女の子口説くのね」
ふふ、と笑ったAがカーテンを閉めた。
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めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時