はじまりの一言 ページ1
「ナナちゃんてさ…かわいいよね?」
高校の裏庭。
校舎にもたれるように立って俺は目の前で真っ赤になる女の子ににっこりとほほ笑んで見せる。
「俺さ、ナナちゃんのことすげぇ好きみたい」
…っていきなりごめんね、と視線をそらす。
そこまですべて計算済みの行動だ。
「でっ…でも藤ヶ谷君って隣のクラスのリナちゃんと付き合ってるって…」
「ああ、リナ?リナは友達だよ?」
「俺が好きなのは、ナナちゃんだけ」
嘘。
リナは最近付き合い始めた…一応彼女。
とはいっても飽きっぽい俺は本気になんてならなくて、もうすでにこうやって次の獲物を落しにかかっているわけだけど。
「藤ヶ谷…くん」
「どう?俺が彼氏とか…だめかな?」
「だめとか…そんなこと」
「……ちょっとだけまじめに考えてみて?返事は今じゃなくていいからさ」
校舎にもたれかかった身体を起こして体勢を立て直すと、放課後にごめんね?と彼女に手を振って歩き出す。
遠くの方を見れば、俺のカバンまで律儀にもって来てくれた大親友の渉がこちらに歩いてくるのが見えて、自然と早足になる。
「太輔…終わった?」
「ん、カバンありがと」
「いつものことじゃん」
そういってにっと笑うと八重歯が何ともかわいらしい渉は当たり前のように俺の隣に並んで歩きだす。
「太輔、また新しい子?」
「そうそう、リナもう飽きちゃって」
「その癖、絶対いつか痛い目見ると思うけど」
「大丈夫、いままでだってずっとこうやって遊んできたんだし?」
「…ったく、太輔ったら」
飽きれたような渉とたわいもない話をしながら歩く帰り道。
少しだけ顔が良くて。
少しだけ女心がわかるから。
甘い笑顔ってやつでにっこり笑って優しい言葉をかけるだけでいい。
それだけで女の子なんて簡単に手に入る。
そう、誰だって。
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めろんぱん(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!お話はもう少し続きますが、気長におつきあいください(^-^*) (2015年3月15日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - 面白いです(///ω///)♪ (2015年3月15日 0時) (レス) id: 08fed4a8fe (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ふうたさん» コメントありがとうございます!気分屋なので不定期更新になってしまってすみません(_ _)宮っちは密かにがっつり書いてみたかったのでお兄ちゃん兼友人として満喫中です(^-^*)これからもよろしくお願いします! (2015年2月25日 5時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうた(プロフ) - 前作から読ませていただきました!今回のお話も大好きです。夜に更新されてるかな?て時が1日の癒しの時間です。みやっちみたいな男友達が居たらいいなと思いながら楽しみにしています! (2015年2月24日 23時) (レス) id: b28de98085 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - めーるさん» コメントありがとうございます!一癖もふた癖もある人ばかりなので一筋縄ではいかないお話になりそうですが、楽しんでいただけたらうれしいです(^-^*) (2015年2月4日 23時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2015年1月22日 0時