もどかしくて、触れたくて〈S.Kento〉 1 ページ10
「けーんちゃんっ」
「A…頼むから千賀先生って呼べよ」
学校の廊下で何事かとこちらを見る俺の指導教諭。
千賀健永、ただいま教育実習で母校に3週間限定の先生として帰ってきました。
先生になろうかな、なんて漠然と思ったのは目の前でだって健ちゃんは健ちゃんだもん!とほっぺたを膨らませている幼馴染河嶋Aの勉強をよく教えていたからかもしれない。
教員もいいことばかりじゃないと大学でたくさん勉強したけれど、やっぱり生のこういう経験は何物にも代えがたいから。
俺はこの教育実習に並々ならぬ気合が入っていた。
「A、これから説明会とかいろいろあるからもう教室行ってな」
「うん、じゃあ一緒に帰ろうね!」
「うーん…忙しくなければ」
「じゃあ、待ってる!」
健ちゃん頑張ってねと手を振るAに早く教室に行けと言ってふぅ…と息を吐く。
「何?彼女?」
「っちげぇよっ」
後ろからひょっこり顔を出したのは高校の時から仲の良かった二階堂。
二階堂が教員を目指してるなんて知らなかったけれど、最近では何かの時のためにと免許をとる人も多いって聞くし…と単純に二階堂と何週間か一緒にいられるのがうれしかった。
「Aは幼馴染」
ほら、高校の時部活の応援とかも来てただろ?と言えば二階堂もああー!と思い出したようだ。
「あの小っちゃかった子か!」
「そうそう、あの頃まだあいつ小学生だったし」
「へぇ…おっきくなったな」
可愛くなっちゃって、なんてにやける二階堂におい、と言えば。
「なんだよー、ホントの事じゃん」
「そうかなぁ…」
パタパタと走っていく後ろ姿を見つめる。
小さいころから変わらない耳の下でゆるく2つに結んだ髪。
いつまでたっても小さいままの身長。
いつでも健ちゃんと呼んで後ろをついてくるその姿は今も昔も全然変わらなくて。
「まだまだガキだよ」
「そんなこと言ってたら、誰かに取られちゃったりして?」
二階堂がにっと笑って言ったけれど、正直Aは今も昔も変わらず妹みたいな存在で、その関係がどうにかなるなんて想像もつかなくて首をひねった。
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めろんぱん(プロフ) - mizukitama0810さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。まだあと3人分ありますのでお楽しみに! (2014年12月8日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
mizukitama0810(プロフ) - 楽しみやで! (2014年12月8日 0時) (レス) id: fa4a017977 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - momo☆さん» いつも遊びに来てくださってありがとうございます!「近くて遠い」をほったらかしてこっちに浮気してます(^-^;)今後は横尾さん、ガヤさんと続いていきますのでお楽しみに☆ (2014年12月6日 4時) (レス) id: f54a071e3d (このIDを非表示/違反報告)
momo☆(プロフ) - 遅くなりましたが新作おめでとうございます!ドキドキきゅんきゅんさせて貰ってます♪まだのメンバーのも楽しみ\(^o^)/ (2014年12月5日 8時) (レス) id: ac44057ad7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - むちゃちゃさん» コメントありがとうございます!今までのお話も読んでくださっていたなんてうれしいです。やっぱりあのね帳ありましたよね?私の友人はなにそれ?状態でしたが(^-^;)これからもマイペース更新かと思いますが頑張ります!! (2014年12月1日 3時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2014年11月29日 2時