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「…は?」
「へ…?」
「ってか二階堂、お前もかよっ」
反応は様々だったけれど、二階堂の発言にあちこちからお前も?という声が上がったのには驚いた。
「えー、じゃあ皆振られたのかー」
「俺今日聞き出してやろうと思ってたんだよね」
二階堂が河嶋にどうなの?と聞く。
「Aあのころ告白されてもいっつも断ってたもんね」
「ちょっと!マイコ!」
「『好きな人がいるんです』って」
「もうっ」
「いい加減時効だろ?教えろよー」
「好きな人!誰だったの?」
「…秘密!」
ええー!ずりぃ!という声の中で恥ずかしげに笑った河嶋はあの日と同じ顔をしていた。
『秘密、です』
あの日の恥ずかしげで、でもすごくすごく愛しい人がいるというあの目。
その気持ちで空気まで変えてしまうくらいの愛しさを含んだ目で、やっぱり河嶋は笑うから。
ああ、やっぱ好きな奴いるんじゃん、と4年も前からわかっていたはずなのにずきり、と胸の奥が痛んだ。
「私より、みんなはどうだったの?」
私ばっかりずるい!と言った河嶋の発言で一気にそれぞれの恋バナに花が咲いて、うまく話題の中心からそれた河嶋がほっと小さく息をついたのが見えた。
「二次会行く人ー!」
楽しい時間はあっという間で、一次会が終わって店の前で佐藤と二階堂が皆をまとめている。
土曜日だということもありほとんどはそのまま二次会に行くらしい。
「みっくんは?」
「あー…俺は明日学校行かなきゃなんないかもしんねぇし、やめとくよ」
俺の前じゃ話せないこともあるだろうし、と遠慮すれば思いのほか残念そうな反応が返ってきて、卒業してしばらくたつのに慕ってくれるのが素直にうれしくて。
「また誘ってくれよな?」
「うん!またみっくんと話したいし!」
「みっくん元気でね!」
「あんまり太らないでねー」
「これ以上縮むなよ」
そんな好き勝手なことを言いながら二次会に行く奴らは行ってしまって。
残った生徒も電車の時間が…などと言いながらぱらぱらと解散していった。
「ん?河嶋はいかねぇの?」
気がつけば残っていたのは俺と河嶋の2人だけで。
「私はこれで帰ります、じゃあ…」
また、と頭を下げた河嶋を思わず呼び止める。
今更どうこうしようと思ったわけじゃなかった。
それでも、もうこんな機会はないような気がして。
「学校にチャリとりに行くんだけど…酔い覚まし付き合ってくんねぇ?」
無理やりな俺のお願いに少し考えた河嶋はこくりと頷いた。
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めろんぱん(プロフ) - mizukitama0810さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。まだあと3人分ありますのでお楽しみに! (2014年12月8日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
mizukitama0810(プロフ) - 楽しみやで! (2014年12月8日 0時) (レス) id: fa4a017977 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - momo☆さん» いつも遊びに来てくださってありがとうございます!「近くて遠い」をほったらかしてこっちに浮気してます(^-^;)今後は横尾さん、ガヤさんと続いていきますのでお楽しみに☆ (2014年12月6日 4時) (レス) id: f54a071e3d (このIDを非表示/違反報告)
momo☆(プロフ) - 遅くなりましたが新作おめでとうございます!ドキドキきゅんきゅんさせて貰ってます♪まだのメンバーのも楽しみ\(^o^)/ (2014年12月5日 8時) (レス) id: ac44057ad7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - むちゃちゃさん» コメントありがとうございます!今までのお話も読んでくださっていたなんてうれしいです。やっぱりあのね帳ありましたよね?私の友人はなにそれ?状態でしたが(^-^;)これからもマイペース更新かと思いますが頑張ります!! (2014年12月1日 3時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2014年11月29日 2時