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学校から駅まで走って15分。
自慢じゃないけど高校までサッカー部のレギュラーだったから体力には自信がある。
あるけれど…。
「…っわりっ遅くなったっ」
「みっくんおっそーい!」
「ってかすごい汗!大丈夫?」
寄る年波って奴を舐めきっていたらアラサーにもなって15分走りっぱなしはきつくて、居酒屋の前についたころにはすっかり息が上がってしまっていた。
肩で息をする俺を心配そうに見つめる佐藤。
電話での声は全然変わってなかったけれど、こうしてみるとやっぱりちょっと大人っぽくなったな…なんてしみじみ思う。
しばらくぜぇぜぇと息をしていたがようやく落ち着いたところで佐藤が笑う。
「みっくん、年だねー」
「うっせ!」
「まぁまぁ、みっくんこないと乾杯できないんだからね」
そんなことを言いながら居酒屋の奥に設けられた座敷に入れば、ものすごい歓声が俺を包む。
「みっくーん、久しぶり!」
「また縮んだんじゃね?」
「なんか年いったねーみっくん」
そんな言葉にうっせ!とかおう!とか返しながら案内された席につけば、周りは委員長の佐藤や俺が顧問をしていたサッカー部の連中ばかりだった。
「みっくん、何飲む?」
そう聞いてきたのはサッカー部だった二階堂。
二階堂はずいぶんたくましくなって見えるけれど、こちらを見て笑う笑顔は全然4年前と変わらない。
「ビールでいい?」
反対側の隣にはこいつもサッカー部だった千賀。
千賀はなんだかパーマとピアスでずいぶん垢抜けた感じがする。
「おう、ビールで」
そう言えば、すぐに生ビールのジョッキが俺に手渡される。
「じゃあ、乾杯しよ!乾杯」
「みっくんよろしくー!」
そんな声に押されて立ち上がればおおーっと拍手が沸き起こる。
「えっと…今日はこんな貴重な機会に呼んでくれてホント、ありがと」
「だってみっくんじゃーん!」
「あたりまえだろ?」
そんな言葉があちこちから飛んで、仲が良かった4年前を思い出して胸の奥が温かくなる。
「今日は今までの事とか、これからの事とかいっぱい教えてくれよな!じゃあ…乾杯!」
「かんぱーい!」
「乾杯!」
グラスのぶつかる音がして、一気に座敷がにぎやかになる。
「これで全員?」
クラスの約半分くらいが集まった座敷を見渡してそう聞けば、佐藤からはあと1人来るはずなんだけど…と言われる。
「それって…」
「ごめん、遅くなっちゃった!」
その4年前と変わらない声をきいた瞬間、鼓動が早くなったのが自分でもわかった。
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めろんぱん(プロフ) - mizukitama0810さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。まだあと3人分ありますのでお楽しみに! (2014年12月8日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
mizukitama0810(プロフ) - 楽しみやで! (2014年12月8日 0時) (レス) id: fa4a017977 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - momo☆さん» いつも遊びに来てくださってありがとうございます!「近くて遠い」をほったらかしてこっちに浮気してます(^-^;)今後は横尾さん、ガヤさんと続いていきますのでお楽しみに☆ (2014年12月6日 4時) (レス) id: f54a071e3d (このIDを非表示/違反報告)
momo☆(プロフ) - 遅くなりましたが新作おめでとうございます!ドキドキきゅんきゅんさせて貰ってます♪まだのメンバーのも楽しみ\(^o^)/ (2014年12月5日 8時) (レス) id: ac44057ad7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - むちゃちゃさん» コメントありがとうございます!今までのお話も読んでくださっていたなんてうれしいです。やっぱりあのね帳ありましたよね?私の友人はなにそれ?状態でしたが(^-^;)これからもマイペース更新かと思いますが頑張ります!! (2014年12月1日 3時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2014年11月29日 2時