7 ページ25
そのままつかつかと私に近づいてきた宮田はドアにかけた私の手に片手を重ねてもう一方の手を私の顔の横にトン…とついて逃げ道を封じる。
「…せん…せ」
今までにないくらいに近い距離に、なんだか気恥ずかしくなる。
「…好きで好きで」
耳元で聞こえる宮田の声はいつになく真剣な声だった。
「河嶋さんをずっと見てたいしホントは独り占めしたい」
なんて、キモいでしょ?と自嘲気味に笑った宮田はそのまま言葉を続ける。
「どうせかなわないならせめてっていっぱい話すようにしたんだけど」
「……でも…」
「うん、わかってるよ…キモいって言われて、ウザいって言われて…このまま嫌われたら、授業中に話しかけることすらできなくなるんじゃないかって…」
焦った、という宮田。
「だから…」
「そう、だから全部やめた」
しつこくない俺なら、ただ見てるくらい許してもらえるかなって思ってさ…、と言ったきり宮田は黙ってしまう。
あきらめたわけでも。
本気じゃなかったわけでもなくて。
…宮田は私の事が好き。
その事実が胸にストン、と落ちて。
もう、当たり前なくらい毎日のいたるところに宮田がいて。
ウザいとか。
キモいとか。
そんな言葉でごまかさなければいけないくらいに…そう。
「…先生」
「……あっ…ごめん」
あわてて離れようとする宮田に、そっち向いていいですか?と言えば見事に固まって。
「逃げないから、手どけてください」
そっと外された手を確認してくるりと宮田の方に向き合えば想像以上に近い位置に宮田がいた。
「…よくわかんないんですけど」
「え…」
「たしかに、いつもすごくウザくて」
「…うん、ごめ…」
「授業中もいつもホント恥ずかしくて」
「…うん、だからもう…」
「でも…宮田が廊下でほかの女子とくっついてるの見るとなんだかイライラする」
思わず『先生』って言うのも忘れてそう言えば、宮田のいっつも笑ってるから細められている目が大きく見開かれて。
「イライラするって…」
「…何?」
「それって、俺のこと…」
言われてみるみるうちに顔が赤くなっていくのがわかる。
「…あ、顔真っ赤」
「…見ないで」
「少しはさ、望みがあるって思っていいのかな」
「…そんなの、わかんない」
でも、宮田は私だけ追いかけてればいいの、と素直じゃないことを言えば、幸せそうに宮田が笑って。
「うん、ずーっと…Aのことだけ見てる」
その言葉にしょうがないなぁ、と言えば宮田の大きな手が不器用に私の頭を撫でた。
111人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - mizukitama0810さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。まだあと3人分ありますのでお楽しみに! (2014年12月8日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
mizukitama0810(プロフ) - 楽しみやで! (2014年12月8日 0時) (レス) id: fa4a017977 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - momo☆さん» いつも遊びに来てくださってありがとうございます!「近くて遠い」をほったらかしてこっちに浮気してます(^-^;)今後は横尾さん、ガヤさんと続いていきますのでお楽しみに☆ (2014年12月6日 4時) (レス) id: f54a071e3d (このIDを非表示/違反報告)
momo☆(プロフ) - 遅くなりましたが新作おめでとうございます!ドキドキきゅんきゅんさせて貰ってます♪まだのメンバーのも楽しみ\(^o^)/ (2014年12月5日 8時) (レス) id: ac44057ad7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - むちゃちゃさん» コメントありがとうございます!今までのお話も読んでくださっていたなんてうれしいです。やっぱりあのね帳ありましたよね?私の友人はなにそれ?状態でしたが(^-^;)これからもマイペース更新かと思いますが頑張ります!! (2014年12月1日 3時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろんぱん | 作成日時:2014年11月29日 2時