キライ、キライ、スキ〈M.Toshiya〉 1 ページ19
「はい!じゃあこの部分の音読を……河嶋さん!」
「…いやです」
「えーっそんなぁー…」
昼下がり。
日差しも心地よくて、なんだか眠くなるようなそんな時間のはずなのに、私河嶋Aは深い深いため息を毎日のようについていた。
その原因はすべて目の前で困ったように笑っている鼻のでかいこの教師のせいである。
「…1時間で5回あたったら、当然の反応です」
「え?それってほかの子にあててヤキモチ妬いちゃったってこと?」
いやー、でも河嶋さんばっかりあてると個人授業みたいになっちゃうしなぁ…となぜだか顔を赤くして照れる教師をきっと睨みつけて。
「…いや、先生がたびたび話しかけてくるのがうざいだけですけど?」
「ひどいなぁー、こんなに好き好きアピールしてるのに」
「結構です」
「うっ…」
うっ…と押し黙った目の前の教師に勝ち誇った顔をすれば、そんな顔もかわいいねと返されてまた頭を抱えたくなった。
宮田俊哉。
なぜか高校に入学してあまり日が立たないうちからこの教師に好かれたらしい私は、受難の日々としか言えない苛酷な毎日をかれこれもう1年以上も送っている。
今ではすっかり宮田はAのこと大好きだもんね!と学年中から不名誉な公認までもらってしまって、こうして授業中に絡まれてはそれを冷たくあしらうのが毎度のことになってしまっていた。
「Aーおつかれ」
「…マイコ…疲れた」
ホント疲れた…と休み時間になると同時に机に突っ伏す私の肩をポンポンと叩いたのはクラスで一番仲の良いマイコ。
「いやぁ、今日もみやっちのAへの愛さく裂してたねー」
「…笑いごとじゃないの」
楽しそうなマイコのほうをちらりと見れば、あんた目つき最悪よ、と諌められる。
「…私は普通に学園生活を楽しく過ごしたいだけなのに」
「ある意味楽しそうよ」
「……やめてよ」
だって宮田黙ってればかっこいいしさー、というマイコを軽くあしらって席を立つ。
たしかに宮田はかっこいい。
明るい茶髪だけれどチャラい感じではないし、いつもにこにこしていて優しそうだし。
女子からの人気もそこそこだと周りからは聞くけれど、どうもいつも追いかけられているせいか宮田をかっこいいなんて思えなくて。
「どこいくの?A」
「んートイレ」
大幅に削られた精神を何とか取り戻すべく、授業までには戻るからとマイコに手を振ってある場所に向かった。
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めろんぱん(プロフ) - mizukitama0810さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。まだあと3人分ありますのでお楽しみに! (2014年12月8日 2時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
mizukitama0810(プロフ) - 楽しみやで! (2014年12月8日 0時) (レス) id: fa4a017977 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - momo☆さん» いつも遊びに来てくださってありがとうございます!「近くて遠い」をほったらかしてこっちに浮気してます(^-^;)今後は横尾さん、ガヤさんと続いていきますのでお楽しみに☆ (2014年12月6日 4時) (レス) id: f54a071e3d (このIDを非表示/違反報告)
momo☆(プロフ) - 遅くなりましたが新作おめでとうございます!ドキドキきゅんきゅんさせて貰ってます♪まだのメンバーのも楽しみ\(^o^)/ (2014年12月5日 8時) (レス) id: ac44057ad7 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - むちゃちゃさん» コメントありがとうございます!今までのお話も読んでくださっていたなんてうれしいです。やっぱりあのね帳ありましたよね?私の友人はなにそれ?状態でしたが(^-^;)これからもマイペース更新かと思いますが頑張ります!! (2014年12月1日 3時) (レス) id: ce7d0548e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2014年11月29日 2時