迷ヰ犬達の反応記録 一冊目

「好き」って云ってみた ページ1

『好きです！』


中島敦
「わ、え、あ、…え？」
直接人から好きと云われるのは初めてな彼。
孤児院での過去を思い返し、自分がこんなに幸せでいいものか不安で少し怯みます。
貴女の真っ直ぐな目に、本気だと知ります。
「僕も、Aさんの事好きです！」


太宰治
「ありがとう、じゃあ私と心ｼﾞｭｯ」
本気の告白だとは流石に思わなかった様子。
国木田さんでもなくまさかの乱歩さんにぶっ叩かれて漸くそういう意味だと分かります。
「…いや、嬉しいよ。僕も君を愛してる」


国木田独歩
「そうか、…は、はぁ！？」
自分もどうアプローチしようか、と考えていた彼。
まさか、向こうも自分を好きだとは思っていなかったみたいで、眼鏡を見失う勢いです。
顔を赤くして、返事をくれます。
「否、俺も好きだ。ありがとう、A…」


江戸川乱歩
「んもー、云うのが遅い！！」
超推理で分かっていた乱歩さん。
でも矢張り、改めて云われると照れる様で、帽子で顔を隠しています。
返事が気になって、チラッと帽子から覗いてみる貴女。
「ああもう！僕も好き！」
暫くは目を合わせると逃げられます。


福沢諭吉
「歳上を揶揄うのは辞めなさい」
かなり歳の差が開いているので、冗談だと思います。
でも、と貴女が食い下がると困った様に眉を下げられます。
両片想いで焦れったいのを見兼ねた一部社員が二人をくっつけようと奔走し、漸く付き合います。
「その…この間は断って悪かった。本当は、誰よりも貴君を愛している」
照れた社長を見れるのは、後にも先にも貴女ぐらいです。

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