11話 ページ13
きっと「時期尚早」とでも、進言したのだろう。
国王陛下が、信頼する宰相であり、親しい友人でもある、父の意見を無視するとは思えないから。
けれど残念なことに、そのお父様のせいで、国中の貴族は真っ二つに分かれてしまっている。
大人の世界で、勝手に争ってくれるのならば、「まだ」いい。
だが、貴族の庶子が通うこの学園において、その影響がないなど、そんなことは一切ない。
真新しい学園生活を楽しみにしていたのに、この学園に入学した次の日には、生徒を二分する派閥が出来上がっていたのだから。
私を含む「第二王子派」は、身分を重んじる側妃の実家「レイシィビーレ侯爵家」と繋がりが深い、名家の子が揃う。
対して「第一王子派」は爵位こそ、こちらに劣るが、派閥に与する者の数ではこちらを圧倒する。
そして、私を一番悩ませる問題が次だ。
学園の派閥は、決して王子自らが率いているわけではないこと。
いや、第二王子は学園に在籍する身として、派閥を率いても良かったのだが。
肝心の本人が面倒だと放り投げてしまった。
そして、派閥の中から適任者として、見事に彼の代打に収まったのが私というわけだ。
全ては、ロレンツォ様がメアリーにうつつを抜かすせいで。
確かに、それが嫌だと思ったことは無い。
むしろ、派閥を率いるのは良い経験だと割り切ってすらいる。
だが、それとこれとは別。
この「おままごと」の一派閥を統べるのは、決して生易しいものではない。
逐一、第一王子派の動きに目を光らせ、乱闘が起きた時には余裕を持って仲裁し、派閥の中に乱れがないか、神経を尖らす。
半端な気持ちで務まるはずがなく、コソコソと「女の身で」「出しゃばりが」と、馬鹿にされてきた。
主に、メアリーが籠絡させた第二王子派の男達に。
(お父様が知ったら、なんと仰るかな...)
あのお父様のことだから、物凄く怒りそう。
「ふふっ」
思わず、その姿を想像してしまい、ここが公の場であることを忘れて、堪えきれずに笑みをこぼす。
「A様...？」
「あら、ごめんなさい。つい可笑しくて」
淑女としては恥ずべき行いだったわ..
レイシュアの問いかけにそう答えると、メアリーの目が一気に吊り上がる。
「失礼なんじゃないの！？人の顔を見て笑うなんて」
「私がロレンツォ様と仲がいい子爵令嬢だからって馬鹿にしないで！」
「え？」
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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2021年2月2日 0時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧海 | 作成日時：2019年2月4日 23時
