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「いつまでついてくるの？」
涼「Aがちゃんと話してくれるまで」
涼太くんは当たり前だろうという顔で言った。
「話すって何を」
涼「今のAの状況がどうすれば良くなるかとか、どうすればインスタを再開してくれるかとか」
「インスタ再開なんてしたら、状況は悪くなるだけだと思う」
涼「そうかな」
私を落ち着かせるように、
涼太くんはゆっくり言葉を発した。
聞く耳を持たないで、
自分の中に引きこもろうとする私の手を
放すまいとするかのように、
一言一言丁寧に語りかけてきた。
涼「ちゃんと、夏恋と話してないんだろう、どうせ」
私は顔を背けた。
涼「Aは自分の気持ち言わないもんな。いつも周りの空気を読んで、雰囲気を壊さないように気を遣ってる。」
「……」
涼「だから、俺、最初はAのこと全然分かんなかったよ。同じクラスになっても印象薄くてさ、同じ学年にこんな子いたっけって思った」
私は唇をかんだ。
そんなこと言われなくてもわかってる。
涼太くんだけじゃなく、
初めて同じクラスになった人はみんなそう思ってるだろう。
涼「だから、Aがステラだって分かって、すごく驚いたよ。いっつも落ち着いて大人しいしAがさ、悩んだり、迷ったり、喜んだり、泣いたりしてるって、分かったから。
でも、つらそうな時も愚痴とか毒吐いたりとかはしないし、なんていうかちゃんとAなりに進もうとしてる。すごいいい子なんだなって思ったし、インスタのおかげでAを近くに感じた」
私は目を閉じた。
込み上げてくるいろんな種類の感情を押さえ込みたかった。
涼「インスタを通して、Aを理解出来た気がした」
まるで励ますかのように涼太くんが
私の肩に手を置いた。
涼「自分の気持ちを出すのは、恥ずかしいかもしれないけど、悪いことじゃない。あのインスタ、みんなに見てもらったら、みんなAのこと好きになるよ。これが私だって、堂々とやればいいじゃん！」
「もうやめてよ！」
思わず涼太くんの手を振り払い、叫んだ。
涼「A……」
「涼太くんにはわかんないよ！！」
「いつもみんなの中心にして、言いたいことなんでも言えて！嫌われるかもしれないって怯えたことなんてないんでしょう？
自分がどうでもいい存在かもしれないって思ったこと一度もないんでしょう？そういう人には、私の気持ちはわからない！」
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作者名：ゆーか
| 作成日時：2018年1月23日 19時
