片寄涼太 Stellar…涙 4 (ページ2)

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涼「どうでもいい存在のやつなんて、どこにもいないよ」

「綺麗事言わないでよ！自分に自信が持てなくて、自分なんていてもいなくてもいいんだって思っちゃう人間がここにいるのよ！！」

涼「A……」

「あのインスタを堂々とクラスのみんなに見てもらえるようなそんな人間だったら、最初からインスタなんてやってない！ちょっとインスタ見たくらいで、分かった気にならないでよ！」

私の肩を掴んでいた涼太くんの手から力が抜けた。

「もうインスタはやらないし、写真集もお断りする。もういやなの。誰にも見られたくないの」

そういって、わたしは涼太くんを残して

立ち去ろうとした。

涼「いいのかよ、ほんとにそれで」

今までに聞いたことがないくらい

悲しみを帯びた涼太くんの声に私は思わず立ち止まった。

涼「Aだって、ほんとは誰かに分かってほしいから、インスタやってたんじゃないの？誰かと心で繋がりたいから、やってたんじゃないの？」

「……」

涼「今、インスタやめて、学校にも来ないで、自分の中に閉じこもったら、Aほんとにひとりぼっちなるぞ」

「もう手遅れだよ」

「インスタなんかやったせいで、私は全部なくしちゃった」

涼「手遅れなんかじゃないし、何もなくしてなんかいない、全部A次第だ」

私次第？

私次第で、この状況が良くなることなんてあるの？

夏恋が許してくれるなんてことが

本当にあると信じていいの？

すがるような思いで顔を上げた私は

強い視線を感じた。

私を心配そうに見つめる涼太くん。

その向こう、

反対側の橋のたもとに、

立っている制服姿の女の子が

私たち二人を見ていた。

それは

………夏恋だった

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