拗らせ初恋模様【不死川実弥】

夏だ！海だ！青春だ！！【前編】 ページ19

実弥side



「あっちぃ、、」


と言いながら俺は制服のカッターシャツのボタンを3つくらい外す。

今は7月、夏真っ只中。
くっそあちぃ。


『ほんとに暑いね、
早く夏休みなんないかな〜』

「あと一週間もしねぇで夏休みじゃねぇか」

『ふふっ、そーだね！！今年は海行きたいな〜』



俺らは、それぞれの母親と弟妹達を連れて毎年のように海に行ってる。

しかし、去年は色々と用事が重なって、
海に1度も行けなかった。




俺は、今年の夏、絶対に成し遂げたいことがある。

そう、Aと2人で海に行くことだ。


今までは弟や妹達の面倒を見ながら、
だったから、あまり2人きりで入れた時間は少ない。

それでもAが可愛かったし、
弟妹の達にも癒されたので文句はないが。



ふぅ、とAを誘う決心をする。



「再来週、お袋休暇貰ったんだよ。」

『え！！おばさん休みなの！！』


すると、Aはすごく嬉しそうな顔をする。

こいつは無邪気で素直だから本当に考えてることがわかりやすい。

今だって、考えてることが手に取るようにわかる。

久しぶりにおばさんと会えるんだ！嬉しい！！
顔に書いてあるようなもんだ。


最近お袋は、仕事で忙しかったので
帰ってこない日や、帰ってきてもあまり俺らと時間が合わない日中や夜中などが多く
なかなか顔を合わせる機会がなかったからだ。


俺がなにか言いたかったのを察したのか、
Aはなーに？と顔を傾げる。

っっっかっわいいなおい(キャラ崩壊



「あのさ、その、今年は俺と2人で海行か..


「よもや！！海か！！いいな！！」
「海かァ、派手でいいじゃねぇか」
「俺も(不死川と仲良くなりたいので)行く。」
「私もお供していいかしら？」
「甘露寺が行くなら俺も行く。」
「あらあらぁ、海なんて久しぶり！楽しそうだわ」


・・・お前らどっから出てきやがった」


見知った顔のヤツらが教室と廊下の窓を乗り出し
口を揃えて海！海！！と俺らの間に割って入ってきた。


『今年は友達と海行けるの！？
嬉しい！実弥ありがとう！！』


Aがあまりにも嬉しそうな顔をするので、
そうじゃない、とも言いきれず


「...あァ。」


と返事をするしかなかった。


俺の計画が台無しだ。




すると宇髄が俺の方に来て、

「わりぃな！二人で行く予定だったか？」

とあからさまな笑顔で言うので、

「わかってんなら邪魔すんなやァ」



俺は呆れて、大きなため息をついた。


うるせぇ夏休みになりそうだ。

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