夜空の双子はマフィア嫌いⅣ (ページ37)

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180話ページ37

～雪希Ｓiｄn～

蒼斗「僕はこんな戦い･････雪希としたくない･････」

･････言うと思った。

兄さんはやっぱ優しすぎるよ。

雪希「じゃあ、私があいつを殺してあげる。」

蒼斗「え、雪希？何言ってるの？」

雪希「そうすれば兄さんは兄さんのままでいれるよ。」

第一、あいつがいなければ私は好きでもないマフィアと関わりを持たなくてすむ。

綱吉と仲良くなって、あいつと兄さんが繋がってる共通点を潰せば兄さんは自由になれる。

でも、根本的に兄さんのマフィアに対する恨みは半端じゃない。

だからマフィアの10代目候補と仲良くなるなんて無理に決まってる。

雪希「今まで回りくどいことしてきてたけど、もうやめた。」

蒼斗「雪希？」

雪希「こんなことしてたら何年経ってもあいつを始末できないもん。」

私がそういうと兄さんは驚いたような顔をする。

雪希「正直に言うね。私、マフィアなんて大嫌い。でも兄さんのために頑張って演じてたんだよ？“全くマフィアに敵意がなさそうな子”。でも今気づいた。これじゃあ、いつまで経っても兄さんを自由にできないって。」

蒼斗「どうしちゃったの？なんか雪希おかしいよ･････。いつもの雪希じゃない･････。」

雪希「兄さんも本当は知りたいんでしょ？私が日頃何を思ってるのか。兄さんは私と違って読心術使えないもんね。それに私がいつも本心を話してないってことくらい超直感で感じてるんじゃない？」

蒼斗「･････」

私がそこまで言うと兄さんは無言で頷く。

その表情はまだ状況についていけてなさそうだった。

それはそうだよね。いつも裏表ない妹が自分の中にいるナニカに向けてものすごい嫌悪感を抱いてるって知ったら･････誰だって困惑するよ。

それが自分の知らないもう一人自分に対してだったら尚更。

蒼斗「雪希、何でそんなに僕の中にいるって言うナニカを嫌うの？」

雪希「え？だってそいつは兄さんじゃないんだよ？私の憧れてる兄さんを奪おうとしてるんだよ？そんなの･････殺したくもなるよね？」

私がそういうと兄さんは固唾を飲み込む。

あぁ、一度キレたら止まらないのって本当に私の悪い癖。日頃キレない変わりに一度キレると歯止めが効かない。

殺気、押さえなきゃ。