178話 ページ35
〜雪希Ｓiｄn〜
視線がした方向に来てみたものの、誰もいない。
気のせいだったのかな？
ううん、そんなはずない。だって、あんなに殺気を飛ばしてたんだから。
しばらく歩いて探してみると、遠くの方にヴァリアーの隊服をきた見知った顔が見えた。
あれは･････
雪希「兄さん。」
私が話しかけると兄さんはこっちを見て申し訳なさそうな顔をした。
あの殺気は、兄さんが飛ばしてたんだ。
理由はたぶん、超直感でなにかを察知したから。そしてそれを私に伝えるために手っ取り早くそうしたんだろう。
雪希「兄さん、他のみんなは？」
蒼斗「さぁ？もうホテルに戻ったんじゃないかな。それより、雪希･････僕雪希に言わないといけないことが───「まさかガチンコ勝負になるなんて････」」
私は兄さんの言葉を遮って言った。
だって、今の兄さんはなんだか淡く今にも消えてしまいそうで怖い。
蒼斗「なんとなく、こうなることは予想してたよ。」
兄さんはそういう。
悲しそうな顔をした兄さんを私は何年ぶりに見ただろう？
兄さんの表情が変わったのを、私は久しぶりに見た気がする。
雪希「兄さん･････」
蒼斗「ねぇ、雪希。しっかり聞いてほしいんだ。」
やっぱり兄さんにはわかってた。
私が意図的に遮ったこと。
本当は嫌な予感がするから聞きたくない。
でも･････そんな悲しそうで、それでもまっすぐ見てくる兄さんを無視なんてできるわけがない･････｡
雪希「･････わかった」
私はそう答えるしかなかった。
蒼斗「今回のリング争奪戦、僕達が戦うとき、僕は棄権する。雪希を傷つけたくない。」
雪希「！な、何言ってるの？」
蒼斗「本気だよ。」
雪希「そんなのだめ！棄権するなら私がするから！」
蒼斗「･････ううん、雪希、お兄ちゃんの言うこと聞いて。」
兄さんが自分のことをお兄ちゃんというときは、なにか嫌な予感がしていて、それに私が関わっているときだけ･････。
たぶん、兄さんはなんとなくナニカの存在に気づき始めてる。ナニカが私達が戦ってる最中にもしかしたら出るかもしれない。
だから、棄権する何て言い出したんだ。
雪希「(だとしたらまずいな)」
あれの存在に気づいたのなら、一刻を争う。
どうしよう
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作者名：ダメネコ＆M･Mっち | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2019年9月13日 17時
