夜空の双子はマフィア嫌いⅢ (ページ49)

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142話ページ49

～雪希Ｓiｄn～

雪希「あれー？兄さんー？」

電話の途中、兄さんが話さなくなった。

電話越しにかすかだが誰かと話しているような声が聞こえる。

かと思えば兄さんとは違う声が聞こえた。

ベル『しし、元気してる雪希？』

マーモ『蒼斗にスピーカーにしてもらったんだけど大丈夫だった？』

雪希「ベル、マーモン？」

二人の声はどこか懐かしく感じた。

二人はなぜか機嫌が良いようでいつもより元気よく話しかけてくる。

マーモ『雪希のいう通り蒼斗、赤ん坊になったよ。呪いの件本当だったんだね』

ベル『半信半疑だったけど確証に変わったぜ♪雪希は新月のときだったっけ？』

雪希「そうだよ。ってかいいなー。赤ちゃんのときの兄さんってすっごい抱き心地いいんだよねぇ。」

思わず赤ん坊の兄さんを想像してしまう。

私が赤ん坊のときはほっぺばっかり触ってくるのに、兄さんが赤ん坊のときはなかなか触らせてもらえない。

まぁ、それは昔あまりにも可愛かったから強く抱き締めすぎちゃってそれ以来兄さん、なにげにトラウマになってるのかも･････。

結論から言うと結局は昔の私のせいだ。

ベル『あ、それわかるぜ。俺も少し触らせてもらったけど超落ち着く♪』

マーモ『赤ちゃん体温はぬくぬくしてるからね。』

蒼斗『ちょっと、マーモンには言われたくないんですけど。』

マーモ『あはは、ごめんごめん。冗談だよ、蒼斗。』

そんな会話が電話越しで繰り広げられる。

三人の表情が手に取るようにわかるので笑ってしまった。

雪希「ふふ、元気そうで安心した。ヴァリアーだったら大丈夫そうだね、兄さん。」

蒼斗『･････まぁね。僕のことより、自分のこと心配して。雪希は危なっかしいんだから、くれぐれも怪我とかしないでよ。』

雪希「わかってるって！それにそれは兄さんにもブーメランになって帰ってくるよ～」

私がそう言うと兄さんは焦ったように言う

蒼斗『そ、それはそうなんだけど･････とにかく！僕がいないとこで絶対変なことに巻き込まれないでよ？！』

雪希「心配性だなぁ。わかったよ、できるだけ心がけるね。」

蒼斗『ならいいけど･････』

どこか納得いっていないような感じで兄さんはそう言った。