123話 ページ30
〜雪希Ｓiｄn〜
蒼斗「久しぶりだね。元気そうで何よりだよ。悪いけど手を引いてもらえるかな？」
スク「うﾞぉぉぉい！なんでてめぇらがそっちにいるんだぁ！」
雪希「スクアーロ･････」
蒼斗「そっち、ね。勘違いしないでよ、スク。僕は･････いや、なんでもない。」
兄さんは何かをいいかけたがやめた。
私は何となく、わかった気がする。
兄さんの言いたかったこと。
蒼斗「とにかく今は手を引いてもらえる？」
スク「そりゃ無理な話だな。そいつにはこいつとどんな関係なのかをゲロってもらわねぇとな！」
雪希「お願い、ここは帰って。」
私は刀を震える手で強く握る。
本当は今も迷ってた。
マフィアは嫌い。用がすんだら捨てるつもり。
でも、なんでかわからないけど･････沢田さんを信じている自分もいる。
蒼斗「･････雪希、大丈夫？」
雪希「え、あ･････うん。平気･････」
心配そうにこっちを見る兄さんに私はそう返す。
うまく笑えてるかな･････
スク「雪希、蒼斗。なんのつもりか知らねぇがそこを退けぇ！じゃないとかっさばくぞ！」
蒼斗「できるならやってみれば？キミ、一度でも僕に勝てたことあったっけ？」
兄さんはそう言って不意打ちでスクに攻撃を仕掛ける。
スクはギリギリ避けることができたものの、頬に切り傷ができてしまう。
スクが後退りしたとき、一瞬スクと兄さんの目に悲しそうな表情が写った。
もしかして兄さん･････
雪希「(どうして･････私は、兄さんの敵になるの？)」
わかってしまった。
兄さんはたぶん、ヴァリアーにつく。
なら私もヴァリアーにつく。だって私達は二人でひとつだから。
でもなんなの？なんでっ･････こんなに心が痛いの？
雪希「痛い･････」
沢田「えっ？」
兄さんとスクが戦ってる中、私は沢田さんの前で立ってるだけ。
何て無力なんだろう。
沢田「ゆ、雪希ちゃんっ･････！」
目の前が真っ暗になりかけたとき、沢田さんの声で正気に戻る。
気づいたらなにもかも終わってて･････
兄さんもスクもいなくなってた。
変わりに跳ね馬ディーノがバジルさんを抱えてる。
沢田さんは心配そうにこっちを見てきた。
沢田「大丈夫？雪希ちゃん･････」
雪希「うん･････」
沢田「っ」
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作者名：ダメネコ＆M･Mっち | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/
作成日時：2019年8月1日 15時
