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このままいっそ君のことを忘れてしまえたら、このよく分からない感情を無くせてしまえるのに
あれから僕はやっぱり君のことを忘れられなくて、かといって君に会いにわざわざ蝶屋敷に訪れるのも気が引けて、違和感を感じる日々を過ごしていた
そんな時だ
僕にある変化が起きたんだ
具体的に言うと上弦の伍との戦いで、僕は失っていた記憶を取り戻した
大切な兄や両親のことを思い出して、そして鬼にへの怒りを思い出した僕は上弦の伍を倒した
もちろん僕だけだったらアイツを倒すことなんて出来なかった。もしも僕があの時小鉄くんを守らなかったら…きっと僕はあのまま水の中で窒息死していた
それから僕は気付いた
人のためにすることは巡り巡って自分のためになるって、そして人は自分ではない誰かのために力を出せるって
……少しだけ、君が人を守りたがる理由が分かった気がしたよ
体が毒で痺れて、意識が朦朧としてきた頃に君が僕の頭をよぎった
目が覚めるとそこは蝶屋敷で、人が忙しなく出入りを繰り返していた
ここは蝶屋敷だから……あの子がいるかもしれない
そう思って体の痛みを押さえつけながら起き上がり、辺りを見回してみると、すぐそこに君の姿があった
「…」
君は僕と甘露寺さんよりも回復が遅く、重症な炭治郎や玄弥のそばによって目覚めるのを今か今かと待っていて
その時僕はなんだか胸がちくりと刺されるような痛みを覚えたんだ。物理的な意味ではなく、精神的な意味で
それが不思議で、君の後ろ姿をじっと見つめていると、僕の視線に気が付いたのか君は僕の方へ振り返って驚きの声を上げた
「霞柱様…!」
君は目に大量の涙を浮かべていて、僕を見た瞬間、それが一気に溢れ出た
僕たちを治療しながら凄く心配していたんだろうな
そう考えると、君がどんな子か容易に想像できた
人のために涙を流せる優しい子だって
昔も今も、それはずっと変わらなくて
そんな君を僕は__
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作者名:あんもないと | 作成日時:2020年3月14日 18時