No.14 ページ15
カランカランと軽やかな鐘の音が庭に響く。随分とはしゃいで遊び疲れた子供たちは既にママの周りに集まっていた。
「みんないる？」
「……あれ？3人足りない？」
辺りを見渡して確認したママに、ギルダが首を傾げて言った。
「いないのはナイラと……」
ママに報告しようとしたその時、森の方から草木の揺れる音がして人影が見えた。
「ママっ！」
「マルク、A！」
人影の正体は焦ったような表情で駆けてきたAと、抱かれているマルクだった。Aは腕に抱えていたマルクを下ろし、ママに近付く。
「何かあったの？」
心配そうに2人に声を掛けたママは、サラリとAの髪をかきあげて顔を覗き込んだ。
「皆でかくれんぼをしてたんだけど、マルクが森でナイラとはぐれたみたいなんだ……っ」
急いで走ってきた所為で乱れた息を整えながら、眉根を寄せて答えたA。
「どうしよう、ママ！いっぱい探したけど見つからないんだ！！」
溢れる涙を拭うこともせずに、マルクはママの服の裾を掴んで必死に訴える。
「もう日が暮れる……すぐに真っ暗だよ」
子供たち皆が不安げに顔を見合わせていると、ママはエプロンのポケットから懐中時計を取り出した。
「……大丈夫よ」
時計を確認した後、ママはニッコリといつもの様に優しげに笑いかける。
「みんなここから動かないで。いいわね？」
そう言ってママは1人で一片の迷いもなく真っ直ぐと森へ向かい、そして数分後、ママはすぐに戻ってきた。
「あ、ママ！」
「ナイラ！」
眠ったナイラを抱きながら。
「疲れて眠っちゃったのね。ほら、ケガ一つないわ」
「よかったぁ！」
緊張の糸が切れたのか、わぁっと再び泣き出すマルク。そんな笑みが溢れる様な光景だったが、少し離れたところではノーマンとエマが硬い空気の中で目を見開き、何かを話しているようだった。
「……」
そして、それを見つめる人が1人。
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ユウゴ - とても面白かったです！続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます！ (2020年8月12日 21時) (
レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
雑食(プロフ) - ますださん» ありがとうこざいます！更新本当に遅くて申し訳ないです…… (2019年6月8日 21時) (レス) id: 9861b771f6 (このIDを非表示/違反報告)
ますだ - すごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2019年5月29日 21時) (レス) id: 84a7c43b1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雑食 | 作成日時：2019年4月21日 18時
