No.11 ページ12
「おっはよー!」
「こらフィル、走らないの」
ぱたぱたと軽い足音を響かせて食堂に駆け込んだフィルを、ギルダが慌てた様子で咎める。俺は、そんないつも通りの光景を視界の端に入れながら皿を丁寧に並べていた。
「これはこっち?」
「えぇ、お願い」
いつも通りの朝。
「マルクはお皿並べて」
「はーい、ママ!」
いつも通りのママと兄弟。
だけど……
「おはよう、エマ!」
「__おはよう!ノーマン」
どこか、ぎこちない2人がいた。
エマとノーマン……。昨晩コニーにリトルバーニーを届けに行ってから、様子がおかしい。今の挨拶だって、エマは返すときに変な
さりげなくエマとノーマンを目で追いながら、様子を観察する。……2人とも、うっすらと隈があるな。
昨夜、門で何かがあったのは間違いない。それも、コニーに関する何か。規則を破ったことがママにバレたとか、そういうことでは無いだろう。もしそうなら何らかの罰があるだろうし、それにノーマンは叱られることはさして気にしていなかった。
そんな風にぐるぐると頭を回転させながら、元気に走り回るちびっ子たちを捕まえていく。
「ほらお前ら、そろそろ準備も終わるぞー。大人しく席に着いとけよ」
最後にフィルを抱き上げて、ふぅと息をつく。ったく、こいつらは毎日毎日元気いっぱいで大変だ。
「あ、おっはよー、A!」
「おはよう、A。今日も相変わらずの面倒見の良さだね」
「…あぁ、おはよう。こいつらも朝くらいは大人しくしてりゃあいいのになぁ」
どうやら2人とも、俺に話してくれる気は無いらしい。にこにこと笑顔を作りながらいつも通りに振る舞う2人をじっと見る。
「……どうしたの?僕たちの顔に何か付いてる?」
「……いや?なんでもねぇよ」
はぁ、もう、仕方ない。こいつらはそういう奴なんだ。時が来たらきっと話してくれるだろう。そう思うことにして、俺はさっさと席へ向かった。
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ユウゴ - とても面白かったです!続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます! (2020年8月12日 21時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
雑食(プロフ) - ますださん» ありがとうこざいます!更新本当に遅くて申し訳ないです…… (2019年6月8日 21時) (レス) id: 9861b771f6 (このIDを非表示/違反報告)
ますだ - すごく面白かったです!更新楽しみにしてます! (2019年5月29日 21時) (レス) id: 84a7c43b1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雑食 | 作成日時:2019年4月21日 18時