No.5 ページ6
あーあ、と肩をすくめているとさっきまで寝転がっていたエマが勢いよく起き上がる。
「くやしー！なんで！？なんでノーマンあんなに強いの？私かけっこじゃ負けたことないのに鬼ごっこじゃ勝てたことないよ！」
Aは最後まで逃げ切ることもあるのに！と不思議そうに言うエマの頭をぽんぽんと撫でる。どうどう、落ち着け。
「問題。現状ノーマンやAにあってエマに無いものなーんだ」
「え！？いっぱいありすぎて…」
本から視線を上げて言ったレイに、エマがぱちりと目を瞬かせる。落ち着きに、計画性に、大人っぽさに…と指を折っていくエマ。まぁ、確かにそれもあるけど…
「戦略だ」
そう、戦略。エマに足りないのは圧倒的にそれだ。俺もノーマン程ではないにしろ、それなりに考えてはいる。息を飲んだエマに、レイは淡々と続けた。
「確かに単純な身体能力ならエマの方が上だろう。でもノーマンは
とんとんと頭を自分の指で指し示しながらそう言ったレイ。
「標的がどう動くか、『鬼』がどう攻めてくるか。状況を観察・分析し、常に敵の
「……鬼ごっこが？」
えー？と首を傾げるエマに、俺も内心同調する。う、うーん、流石にそこまでは俺も考えて無かったな。鬼ごっこだし。
「少なくともこいつがやってんのはそういう遊び」
顎でノーマンを指すレイ。ノーマンはいつもの様ににこやかに笑っている。が、こういう奴ほど腹の中では何を考えているのか分からないモンだ。
「そこが鬼ごっこの面白さでしょ？」
ふんわりと笑顔のノーマン。
……俺、こいつ本当は腹黒だと思ってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウゴ - とても面白かったです！続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます！ (2020年8月12日 21時) (
レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
雑食(プロフ) - ますださん» ありがとうこざいます！更新本当に遅くて申し訳ないです…… (2019年6月8日 21時) (レス) id: 9861b771f6 (このIDを非表示/違反報告)
ますだ - すごく面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2019年5月29日 21時) (レス) id: 84a7c43b1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雑食 | 作成日時：2019年4月21日 18時
