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No.18 ページ19

「鬼……農園……ママが敵……?
……やばくね!?」

「あぁ……だから格子窓ってわけか」

((のみこみ早っ!!))

真剣な顔でそう納得し合った俺とレイに、エマとノーマンの二人は戸惑ったような雰囲気を醸し出していた。

「えっ、ていうか超すんなり信じてくれてるけど……」

バカにしないの!?と驚いて聞いてくるエマに、相変わらず目付きの悪いレイが片眉を上げる。

「は?当然だろ。ノーマンがこんな間抜けな嘘つくかっての。エマならともかく」

信頼の差!!とショックを受けているエマはひとまず置いておく。

……正直、俺はレイの様に全て飲み込めたわけではない。コニーは死んで、俺たちは食用児で、ママは敵で……。頭がパンクしそうだから後でじっくり考えることにしただけだ。

しかしこの二人はママのことが大好きだった筈で、こんな酷い嘘をつく様な奴らじゃないと信じている。

「_____で、実際逃げるとなると」

その言葉で、空気が一気に固くなる。

「問題は色々あるが、まずは人数だな。いくら何でも全員は無理だ。実現可能なメンバーに絞って……」

「待って」

淡々と紡がれるレイの言葉をエマが鋭く遮った。

「全員で逃げたいんだ。力を貸して、レイ」

力強い光の宿る目がレイを貫く。しかしレイは一瞬目を見開いた後、冷たく言い放った。

「全員?冗談だろ?」

「!!」

雲行きがどんどん怪しくなってきた。俺は木にもたれかかり、目を閉じて静かに耳を傾けている。

「全部で37人。大半が6歳未満だぞ!?
『ママ』『鬼』『発信機』
ただでさえ簡単でない脱走の難易度がケタ違いにハネ上がる」

「それは分かってる_____でも無理だと決まったわけじゃ……!」

「いいや、無理だ。
エマ、お前気づいてないだろ」

「え」

あぁ、そうか。レイが言いたい事が、何となく分かった。そして先程のノーマンの言葉の真意も。

「レイ、待って」

焦った様に口を挟んだノーマンに、レイが小さく笑う。

「成程。だから『僕から(・・・)話すよ』か。
エマに伏せてた。……いや、言えなかった(・・・・・・)のか?どちらにしても甘ぇよ、過保護だ。こういうのはハッキリ言ったほうがいい」

レイ以外の誰も口を開けない。エマは何のことか分かっていない様で、きょとんとしている。

「エマ……『出る』だけじゃダメなんだぞ」

そういう、ことだ。

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ユウゴ - とても面白かったです!続きを早く読みたいです。楽しみに待ってます! (2020年8月12日 21時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
雑食(プロフ) - ますださん» ありがとうこざいます!更新本当に遅くて申し訳ないです…… (2019年6月8日 21時) (レス) id: 9861b771f6 (このIDを非表示/違反報告)
ますだ - すごく面白かったです!更新楽しみにしてます! (2019年5月29日 21時) (レス) id: 84a7c43b1d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雑食 | 作成日時:2019年4月21日 18時

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