〔かくりよの宿飯〕正体不明の妹の事情(3)

増えた謎　　葵Side ページ3

葵「・・・・・えぇっ!?」




楓の髪をまじまじと見つめる。


すると、すうっと楓の青銀の髪は黒髪になる。


そう、まるで何もなかったように


霧がなくなるかのように。




葵「えっと・・・どういうこと?」




楓は、はっとした顔であのペンダントの青い石をぎりっ・・・と握る。




楓「・・・ﾎﾞｿｯ)くそっ!」




何を言ったのかは聞こえなかったけど楓はどこか、悔しそうだった。





葵「ど、どうしたの? 楓?」





楓は、ぱっと顔を上げて、へらりと笑う。





楓「ごめん。疲れてて葵姉限定に幻影をかけてた。」






私は首を傾げる。


おかしい。


港で野次馬が楓のことを青銀の髪、尻尾と翼。


と、言っていた。


嘘だ。


楓は何かをまだ隠している。





・・・・・・でも。



葵「そっか。なら尚更、寝ないと。お子様はお休みっ。」



楓「そのお子様が気に要らないけど〜。

　 お休み〜。葵姉。」



私はあえて聞かない。


楓が話したいと思う時まで。





その横では銀次さんが再び考え込んでいた。

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