〔かくりよの宿飯〕正体不明の妹の事情(3)

本編　告白　　楓Side ページ14

しまった。



銀次さんを見た時、真っ先に思ったのはそれだった。




もう誰にも迷惑をかけないと、




決めていたのに。




見られてしまった。



私の呪いの姿を





私は逃げようとした。否、逃げることが出来なかった。




気づいた時には銀次さんの腕の中だった。



・・・・・・え？




楓「い、嫌だっ 離せっ!!」




恐い。銀次さんが恐い。


そう思って暴れようとしたけど銀次さんの顔を見上げて


思わず、ぎょっとしてしまった。








楓「どうし、て・・・?






　 ────────泣いているの?」





そう、銀次さんは泣いていた。


瞳を閉じ、ほろほろと涙が落ちている。




楓「どうして・・・」





どうして。


私の姿について何も言わないの？


気持ち悪いと思わないの?


どうして？



＊＊＊



足湯に再び、足をつけた私達は



どうしてこんな事になったかを話していた。



簡単に話していけない事だけど



この姿がバレてしまった以上、話さければいけない。




それに、この人?なら信用出来る。




ちらりと銀次さんを見ると




私に気付いた銀次さんがにこり、と笑った。





なんか、いけない物を見てしまった気がして





私は、ぐりっとそっぽを向いた。






あぁぁっ、顔が熱い。



それと抱きしめられたとき



細く見えても、しっかり筋肉がついた胸と



銀次さんの熱を感じて・・・・・・?




思わず、ぼんっと赤くなる。




銀次「楓さん?」




正体不明の熱を手で扇ぎながら冷ます。



そして、ゆっくりと口を開いた。

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