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・  葵Side ページ1

楓「ただいまー」


銀次「え!? あっ、お、お帰りなさい。楓さん、葵さん。」




離れに戻って来て。



私が見たのは最初に入っていった楓を見てびっくりした顔をしてなぜか固まる銀次さんだった。



私は首を傾げる。



また穏やかな銀次さんがびっくりしている。



どうしたんだろう。


銀次「あ、葵さん。大旦那様とは楽しいひとときを過ごせましたか。」


葵「楽しいも何も、さっきまで凄い修羅場だったのよ」


銀次「えっ」


葵「別に、私と大旦那様が修羅場だった訳じゃないわよ」




カウンターで一部始終を語る間に翼を消した楓が



カウンターにどべ〜っと突っ伏す。





楓「疲れた〜」





銀次「楓さん、葵さんにいつの間について行ったんですか?」





ん?

銀次さんが焦ったような顔をして楓に聞いている。


どうしたんだろう。


彼が慌てるのをみるのは天狗の件以来だ。



楓が顔を突っ伏したまま答える。



楓「最初から〜。護衛だかんね。あ、そういえばこれ。」




楓がしゃら、と微かな音を立てなから簪を引き抜いた。


さらさらした青銀の髪が肩に流れ落ちる。





楓「これ、誰がくれたんだろ?」



楓の手の中で瑞々しい青い花の横から垂れているチャームに飾られた濃淡のある石がキラリと光る。




葵「そういえばそうね。」
銀次「私ですよ。」



私は首を傾げる。

私の簪は紅水晶だった。

楓のは青い花にチャームがある。




葵「ふーむ、大旦那様じゃないみたいだし・・・え?」



私はぎょっとして銀次さんを見る。


顔を上げた楓の目も、少しだけ見開かれている。



楓「・・・今、なんて言った?銀次さん?」






銀次「私ですよ。私が楓さんに簪を贈ったんだんです。」




・・・・・・


しばらくして。



楓「ま、まあ、ありがとう?」



銀次「どういたしまして。」




戸惑った感じの楓と少し申し訳なさそうな顔の銀次さん。


私は思わず笑ってしまった。


そして色々と厄介なことになってるなとカウンターに突っ伏そうとして


分厚い飾り帯が胸につっかて苦しくなった。


よくこの状態で突っ伏すことができたわね。楓。

葵Side→



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霞葉 - 凄く面白いです。神作見っけ。…あの、付かぬ事をお聞きしますが名◯偵コナ◯結構好きだったりしますか…? (2020年6月8日 14時) (レス) id: a64398df50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - やっぱ何度みてもおもしろいです!更新待ってます! (2020年5月18日 21時) (レス) id: a1a5906877 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりひこ - オモシロイ(^o^) (2019年7月20日 8時) (レス) id: ae0fdfb0e4 (このIDを非表示/違反報告)
桜華舞姫(プロフ) - とても面白くてお気に入りにしちゃいました!更新頑張って下さい。お願いします! (2019年3月28日 23時) (レス) id: 560a31fb84 (このIDを非表示/違反報告)
桜夜(プロフ) - ありがとうございます! 頑張ります。面白いと言っていただけて嬉しいです! (2019年1月30日 15時) (レス) id: ca9811f6aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜夜 x他5人 | 作者ホームページ:http://hhtotrpl  
作成日時:2018年10月13日 23時

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