〔かくりよの宿飯〕身元不明の妹の事情(2)

楓さんの素の顔　　銀次サイド ページ4

楓さんが出ていったその後、


あのとき怒らせてしまっただろうかと


幼い姿で落ちこむ。


葵「あのね、銀次さん。」


きてしまいました。お説教！


姿勢を慌てて整え、


【おむらいす】を作る葵さんを見る。


・・・あれ。葵さんはお説教よりほど遠い表情をしている。


なんか、戸惑っていらっしゃる・・・？


葵「あのね、妹は。」


迷った様子を見せ、話し出す。


葵「妹は・・・


　 会ったときから、感情をあまり表に出さないの。」


え・・・?


葵「だからびっくりしたわ。銀次さんには感情といえる感情を

　 見せたんだもの。

　 普段も滅多に笑わないし。」



いえ、笑いましたよ？


あまりにも嬉しそうに細められた綺麗な目だったので覚えている。


と、昨日の楓さんの顔を思い出して


ぽんっと赤くなる。


あぁ、お恥ずかしい・・・


そんな私に、くすりと笑うと葵さんは口を開く。


葵「見せたのでしょう？





　 あなたに素を。」



銀「・・・・・そうですね。」



葵「やっぱり、ね。

　 私には見せてくれないのよ。

　 逆に嫌かるくらいで。

　 少し寂しいかも・・・」


楓さんは葵さんの護衛のためとおっしゃっていたと、

暁から聞きました。

まさか勘づいていたとは・・・


葵「あの子はね。

　 昔、酷い目にあったの。」


そう言うと葵さんは

楓さんの過去を話してくださった。



　

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