天狗の団扇 ページ25
私が目を覚ますと楓はいなかった。
かんざしをカウンターに置いて、気合いを入れていたら
銀「葵さん!大変です!」
葵「あら、銀次さん。今,外に仕事を探しに行こうと・・・」
銀「外? 一体なぜ・・・って、いや、そうではないので! 葵さん、楓さんも
とにかく、こちらへ来てください!! って、いないんですか!?」
葵「えぇ、私が起きた時にはもういなかったわよ?」
銀「葵さんだけでもいいです。早くこちらへ!」
***
フロントに来ると、天狗と天神屋の幹部と従業員が集まっていた。
大旦那様が私を見下ろす。
この瞳で見られると嫌な予感しかしない。
大「葵、お前・・・・・・天狗のご隠居様に、飯を出したな?」
天狗達がざっ、と分かれる。
松「おおお、葵か。葵じゃあないか。昨晩は世話になったな。おや?楓はどこだ?」
え?松葉様って実はえらい人なの?
葵「か、かえでは起きたらいなくなってたわ。私達ちょっと、喧嘩しててね・・・」
私は声が落ちこむような声になっていることを感じた。
松「そうか・・・しかし、あんな可愛いらしい孫娘同然の人間を
最後に見れないとはな・・・」
松葉様が落ちこむと
天狗が興味深そうに松葉様を見て、天神屋のあやかし達が騒ぎだす。
[可愛いらしいだと?あれのどこが?]
[分からん。あんな不気味なやつ。]
[ご隠居様の目がおかしくなったのか?]
どうやら本気でそう思っているらしかった。
あんな地味な姿は不気味だったんでしょうけど・・・
それは私のためだったと銀次さんに聞いているから
とても気まずい。
まあ、本来のセンスのよさを見たらその考えも変わるでしょう。
松「葵、葵。お前は倒れていたわしを介抱し、うまい飯まで
食わせてくれた。わしはお前を気にいったぞ、史郎の孫娘。
従ってこの天狗の団扇を与えようと思う」
あやかし達が目を見開いて飛び上がる。
『えええええええぇっ!!』
大旦那様も目を見開いている。
葵「でも、良いの?凄いついでに厄介な匂いがするのだけど。」
松「いいから、いいのだ。」
八つ手の葉を握らされる。
松「それはそうとお前は借金のかたとして、ここにいると聞いたぞ。
借金はうちが払おう。
なんなら、うちの息子に嫁入りするといい。
天狗は、人間の娘を大事にするぞ。
楓も来させるとよい。」
(・・・いやだね・・・)
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桜夜 - すみません。大幅にシナリオと設定に変更があります。 (2018年10月29日 18時) (レス) id: 5ed7eda12b (このIDを非表示/違反報告)
桜夜 - 改名しました。これからも宜しくお願いします!! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 5ed7eda12b (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - すいません。今から作品を大幅に変えます。やり方が今ごろよく分かってきました。ご迷惑をおかけします。 (2018年10月6日 23時) (レス) id: 5ed7eda12b (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - お世話になります。ありがどうございます。 (2018年10月2日 21時) (レス) id: 5ed7eda12b (このIDを非表示/違反報告)
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