継子10 ページ10
煉獄家に戻り、風呂から上がった後師範に呼び出された。
『失礼します。Aです。』
杏「ああ。入っていいぞ。」
そっと襖を開け中に入れば、師範は縁側に座り月を眺めていた。
『あの、話があると聞いたのですが……。』
杏「あぁ。そうだな。」
そういうくせに何も言わない。
しばらく沈黙が流れどうしようと思っていた時、シャラ、と音がした。
聞き覚えのある音に顔を上げれば、師範が炭治郎から貰った簪を月の光に照らして眺めていた。
しまっておいたはずなのにどうして持っているのか。
師範の横顔は酷く無表情だったが、何故師範が私の簪を持っているのかが気になって気付かなかった。
『な、んで…。』
杏「綺麗な造りだ。きっとわざわざ注文したのだろうな。」
師範がこちらを向く。
杏「お前は炭治郎を選ぶのか。俺のものなのに。」
笑っているのに、笑っていない。
師範は普段、人の事をお前とは呼ばない。
なんとなくわかってしまう。
きっとこれが本当の師範の性格なのだろうと。
師範が立ち上がり近付いてくる。
逃げようとしたが相手は男。
しかも柱だ。
力の差は歴然であっという間に押さえ付けられた。
『し、師範…。』
杏「ずっと考えていたんだ。Aが他の男に取られるぐらいならいっその事孕ませてしまおうと。」
着物を脱がされて舐め回すように見られ、恐怖で体がガタガタと震える。
杏「あぁ、声を抑えないと父上と千寿郎に聞こえてしまうぞ。」
耳元で囁かれ、絶望からか、恐怖からか、私の頬に涙が伝った。
_______________
荒い息遣いが聞こえる部屋で障子の隙間から漏れた月明かりに照らされ、床に放置された水色の簪が輝いている。
男は息を乱しながら満足そうに自分の下でぐったりとした女を見つめる。
それから赤い、炎のような、しかし血のようにも感じる色の簪を床に散らばった女の髪に翳し、
杏「やはりそんな簪よりも、こっちの方が似合っている。」
熱の籠った目を細め嬉しそうに、昏い笑みを浮かべた。
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ホノハ - 煉獄さんが怖いけど、そこもいい！！ (2021年11月11日 18時) (
レス) @page9 id: 8dccd387ce (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - きなこむしさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたようで何よりです！！！読んで下さりありがとうございました！！！ (2021年1月29日 10時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
きなこむし - 煉獄さんは純愛じゃなくヤンデレ一択！しかも千寿郎君もヤンデレ？兄弟で素晴らしいです！ぜひまたの作品を楽しみにしています！素敵な作品ありがとうございました (2021年1月29日 0時) (レス) id: 965738ec66 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - 澪さん» そんな事無いですよ。褒めていただいて嬉しいです！ありがとうございます！！！ (2020年3月20日 21時) (レス) id: cae380dc3e (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 椿さん» いえいえ!!椿さんの神小説が表現力と語彙力が激高過ぎたので影響されたのかもしれないですね！(>v<# (2020年3月20日 20時) (レス) id: 001cac99b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿
| 作成日時：2019年11月15日 19時
