煉獄杏寿郎の歪んだ愛

愛8 ページ8

杏寿郎side



自分の下で肩で息をする少女を見下ろす。


彼女の体は血が滲むまで噛まれた痕、打撲痕、切り傷がそこらじゅうにあった。



今までは服で隠れない所は傷つけないように気を付けていた。


でも我慢出来なくて。


それでも顔は殴らないようにしていた。


言い訳のしようが無いからだ。


だが、今日殴ってしまった。


鼻血が出て頬は腫れている。



Aの上から退けばもう何もされないと判断したのかゆっくりと起き上がった。



杏「A。」



Aの体に包帯を巻く。


手当てが終わるとAを抱き締める。


これはいつもしている事だった。



あの日、初めてAを殴って無理矢理抱いた日。

おぼつかない手つきで包帯を巻こうとしていたのでやってやった。

放心状態で泣いていたから抱き締めた。


力を入れたら壊れてしまいそうなほど小さく細い体だと思った。


そしてその後は、身なりを整えたら同じ布団の中で抱き締めて眠る。


そうしないとAがどこかに行ってしまう気がするから。




何度も。


今まで何度も止めようと思った。


だけど抑え込んでいたものが一度出てしまったらもう戻れなかった。



ずっとずっと好きだった。


一目惚れだった。


この時はここまで醜い感情ではなく純粋に好きだったと思う。


家族になりたいと思った。


望み通り家族になれた。


でもそれは理想の形とは違った。


妻にしたかったのに兄妹になってしまった。


こうなった以上、思いを伝えるつもりも無かったしいい兄を演じようと思った。


だけど同じ家で過ごしていくうちにどんどん自分の醜い欲望が膨れ上がる。


触れたい。


抱き締めたい。


抱きたい。



どんどん女の体になっていくAに胸が高鳴った。




そんな時、Aに避けられ始めた。


いい機会だと思った。



だけど。



Aに好きな人が出来たと聞いた日。



気が付いたら押し倒していた。

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